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後編
しおりを挟むこうして私たち一家は大金持ちになった。
さらにそれからも良い意味での奇跡が起こり続けた。
そしてしまいには王子より求婚されてしまう。
嘘みたい? 作り話、妄想? いや、本当に、そうだと思う。そう思われて当然だと思う、こんな私にとって都合がいいばかりの話は。でもこれは嘘ではないのだ。宝くじも、それ以外の嬉しかったことも、王子からの求婚も、すべて紛れもない事実であり現実なのである。だから嘘ではない。それは胸を張って言える。嘘でないと神に誓えるか? もし誰かからそう問われても、誓える、と堂々と答えられる。
こうして私は幸せになったのだが、それとは対照的にミドレイブルは残念な最期を迎えたようだ。
彼はあの後多数の災難に見舞われたそう。
その災難の数といえば凄まじいものだったようで。
死の直前、彼は、心身共にボロボロになっていたそうである。
で、やがて彼はこの世を去った。
秋のはじめに風邪を引いて、それをこじらせてしまい、あっという間に死に至ったのだそうだ。
ミドレイブルはあまり風邪を引かない人だった。私も彼が風邪を引いたという話は聞いたことがない。身体が強い方の人間だったのだ、彼は。でももしかしたらだからこそだったもかもとも思うこともある。彼の肉体は風邪というものに慣れていなかったのかもしれない。
◆終わり◆
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