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婚約破棄された、でも、生きてはいようと思う。~一度は死んでしまいたくもなったけれど~
しおりを挟む今日、婚約破棄を告げられた。
愛していた人。
この人生において特別な人。
彼はそうだった、私にとって彼とは――ただ一人の愛した人だったから。
けれども彼は同じようには思ってくれておらず。それどころか、彼には余所にもっと愛している人がいた。彼には私に隠れて付き合っていた女がいて、彼は今日ついに彼女を選んだのだ。私を切り捨ててまでその女を取ったのだ。
それはとても悲しいことだった。
一度は死んでしまおうかとも思ったほどで。
この世界にもう希望なんてない。
そんな風に思ってしまったほど。
心に強大な闇が襲いかかってきたようなそんな感覚だった。
けれども、両親にそのことを話して色々喋っているうちに、段々心が蘇ってきて。やはり、死ぬとか、そういうのは駄目だなと思うようになってきた。だって、両親は私を愛してくれている。なのにその命を勝手に捨てるなんて、そんなことをしていけないと思うようになっていった。
綺麗事かもしれないけれど……でも、こんなくらいで死んでは駄目なのだと思えてきた。
だから。
婚約破棄された、でも、生きてはいようと思う。
◆終わり◆
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