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淡い雪
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降り注ぐ夜には
空を見上げて
懐かしい日々を思い出すの
あなたと共にあれた頃
まだあの頃はわたし未熟だったから
ふわりと舞う雪にすら
まるで子どものように歓喜の声をあげていたわ
それでもあなたは呆れずにいてくれて
それでもあなたは笑いかけてくれていて
それが何よりも嬉しくて
だからこそあなたを強く深く愛していた
呆れるようなわたしの反応
でも
愚かだと笑わなかった
あなた
そんなところに惹かれていったの
それが
あなたが素晴らしい人だって気づいた理由
淡い雪
降り注ぐ夜には
空を見上げて
懐かしい日々を思い出すの
もう婚約は破棄になってしまったけれど――
絶望の果てに
春が来て
そうやって季節は廻り
また訪れた冬に
ふわり舞い落ちる雪を手ですくって
風に乗せて飛ばせば
ありとあらゆるものが
それに乗って飛んでいってしまいそう
平和を祈る鳥のように……
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