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後編
しおりを挟むだが、たまたま付近を通りかかった男性が。
「貴女は一体!?」
一人ぽつんと草の上に佇んでいた私に声をかけてきて。
「な、なんとお美しい! 女神!? まさか、女神なのかッ……!?」
「何ですか急に」
「貴女! わたしと結婚してほしい!」
「ええ……」
――謎の出会いがあって、私は一人クラスメイトたちと別行動をすることとなった。
王子バドルーンに見初められた私は驚くべき早さで彼と婚約させられてしまった。
クラスメイトにはもう会えない。
だって今や私は私ではなくなった――否、私はバドルーンの女となったから。
愛してはもらえる。
裕福な生活をさせてもらえる。
けれども好き放題できるという形の自由は与えてもらえない。
だからクラスメイトに会いに行くことはできないのだ。
ただ、彼らについての噂はちらっと耳に入ったのだけれど。
何でも、彼らは結局食事にありつけず、そのまま飢えて亡くなったそうなのだ。
これが本当の話なのかは分からない。
でも事実の可能性も低くはない。
だって敢えてそんな嘘を広める必要なんてないはずだから。
「ああ! 我が女神! 今日もお美しい!」
「バドルーン様……」
「本日のディナーはどのようなものをご希望で?」
「あの黒い塊以外でお願いしたいです」
「承知した! では、あれを使わず料理を作らせます!」
取り敢えず、私は行き抜く道を得られた。
日本にいた頃の行いが良かったからではないと思う。
学生だった私は普通の女子であって特別善良だったわけではない。
でもあの時たまたまバドルーンに見つけてもらえたからこうして生きていられる今があることは事実。
……まぁ、運が良かったのだと思うことにしようか。
◆終わり◆
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え クラスメイト餓死!?そんな(´・ω・`)
主人公は幸せになれてよかった。
こちらも読んでくださりありがとうございます!
少しダークになってしまいましたが……
いつもありがとうございます~!m(_ _)m