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2話
しおりを挟む「お姉さまには消えていただきますわ!」
「フィフォネまで」
「仕方ないじゃないですの、ローレンス様がわたくしを愛したんですもの」
どうしてそんなことを平然と言えるんだ……。
実の姉妹だけれど、私にはフィフォネの精神が理解できなかった。
「お姉さまは愛されず形だけの妻でありたいんですの?」
「それは嬉しくないけれど……」
「でしょう? なら今のうちにさっさと離れて。その方がきっとお姉さまもためですわ」
「でも、婚約破棄なんて、いきなり過ぎて」
「鬱陶しい! お姉さまはしつこいですわ。愛されてもいないのに! さっさと去ればいいんですのよ」
ローレンスとフィフォネは腕を絡め合っている。
僕たち私たちは何があっても絶対離れない――そうほのめかしているかのように。
「ということで、さようなら」
「本気なのですか? ローレンスさん」
「ああ、もちろん」
「そうですか……分かりました」
こうして私とローレンスの婚約は破棄となった――身勝手に割り込んできた妹フィフォネのせいで。
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