嘘をついて王子と婚約した妹は、嘘がばれたために婚約破棄されました。そして、まさかの展開で、私と王子が婚約することとなったのです。

四季

文字の大きさ
2 / 2

後編


「おおっ!」
「光、見えましたか~?」
「はい、見えました」
「良かったです! いつでも言ってくださいね」
「ありがとうございます、レリスさん」

 だがその後私だけオッフル王子から呼び出され。

「魔法を使っているのは貴女ですよね?」

 彼に問われる。

「え……あ、あの、一体何を」
「レリスさんが魔法使いという件、嘘ですよね? もし違ったらすみません、が、本当は貴女が魔法を使っているのではないですか」

 どうしよう……。
 どう答えようか……。

 ここで本当のことを言ったら、私はどうなるのだろう?

 レリスや親には激怒されるだろう。でも、その怒りから、誰かに護ってもらえる保証はない。何なら私はレリスにしばかれ殺められかけるかもしれない。きっと酷い目に遭わされるだろう。

 できるなら本当のことを話したいが……。

「ぜひ本当のことを教えてください」
「……言えません」
「やはり! 僕の予想は当たっていますね!?」
「え……」
「では! どうか! 貴女に結婚を申し込ませてください!」

 えええーっ!?

 彼としては、魔法が使える人と結婚したい、ということなのだろう。
 でもなぜ私に。
 私なんてただのぱっとしない女でしかないのに。
 華やかではないし特別美しくもないし。
 なのにどうして、彼は、こんなに急に本気で結婚を申し込もうなんてできるのだろう。

「あ、では先に、レリスさんとの婚約を破棄してきます!」
「あ、あの……待ってください」
「はい?」
「お願いがあります」
「何でしょう」
「その……私が事実を発したとばれたらきっと虐められます……妹や親から痛い目に遭わされるでしょう……どうか、それから護ってください」

 すると彼は笑顔で。

「ええ! もちろんですよ!」

 そう言った。

 その後オッフル王子からレリスへ「嘘はばれた」という話があり、嘘つきとの婚約を破棄するという趣旨の言葉が告げられた。レリスは酷く動揺していたが、その中でも、私を睨んでいた。で、その後レリスは「裏切り者は死ね!」とか「くそ姉! 命だけは奪ってやる!」とか叫び倒し、そのために警備隊に拘束されることとなった。が、拘束中に激しく暴れ、その過程で彼女は息がとまり死亡した。

 そして、レリスの両親には五十年の強制労働が課せられ、親戚一同にも十五年十倍課税が設けられた。

 それらは王子を騙す者へ協力した者への罰だった。

 こうして私はオッフル王子と結婚。
 まったく想定していないことだったけれど、この道も悪くはない、とは思えている。

 私は実在する魔法使いとして夫にもその周りの人にも愛されている。

 もう迷わない。
 これからは妹や親に縛られはしない。

 私は私の道を行く。


◆終わり◆
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

わたくしが代わりに妻となることにしましたの、と、妹に告げられました

四季
恋愛
私には婚約者がいたのだが、婚約者はいつの間にか妹と仲良くなっていたらしい。

「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった

歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。 だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」 追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。 一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。 誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。 「その言葉は、もう翻訳できません」

嘘を信じ私を切り落とした者とその国の末路は……。

四季
恋愛
「レミリア・レモネード! 君との婚約を今ここで破棄する!」 第一王子ブランジズ・ブブロ・ブロロブアは晩餐会の最中突然宣言した。

もう好きと思えない? ならおしまいにしましょう。あ、一応言っておきますけど。後からやり直したいとか言っても……無駄ですからね?

四季
恋愛
もう好きと思えない? ならおしまいにしましょう。あ、一応言っておきますけど。後からやり直したいとか言っても……無駄ですからね?

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

熱烈な恋がしたいなら、勝手にしてください。私は、堅実に生きさせてもらいますので。

木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるアルネアには、婚約者がいた。 しかし、ある日その彼から婚約破棄を告げられてしまう。なんでも、アルネアの妹と婚約したいらしいのだ。 「熱烈な恋がしたいなら、勝手にしてください」 身勝手な恋愛をする二人に対して、アルネアは呆れていた。 堅実に生きたい彼女にとって、二人の行いは信じられないものだったのである。 数日後、アルネアの元にある知らせが届いた。 妹と元婚約者の間で、何か事件が起こったらしいのだ。

いちゃつきを見せつけて楽しいですか?

四季
恋愛
それなりに大きな力を持つ王国に第一王女として生まれた私ーーリルリナ・グランシェには婚約者がいた。 だが、婚約者に寄ってくる女性がいて……。

刺繍妻

拓海のり
恋愛
男爵令嬢メアリーは魔力も無くて、十五歳で寄り親の侯爵家に侍女見習いとして奉公に上がった。二十歳まで務めた後、同じ寄り子の子爵家に嫁に行ったが。九千字ぐらいのお話です。