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前編
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婚約者アルペンには可愛がっている女の子がいる。
彼より二つ年下で、名はカーネリアという。学園に通っていた頃の後輩らしく、アルペンの卒業後も交流を続けているらしい。
アルペンはよく彼女との話をする。
二人は、毎週のように顔を合わせては、お茶をしたり酒を飲んだりするらしい。また、少し時間がある時には、お出掛けをすることも少なくないとか。学園の卒業生の中には二人が恋人だと勘違いしている者も少なくないらしい。
私は正直それを良く思っていなかった。
婚約者がいるのにどうしてそんなに遠慮がないの、などと、つい思ってしまって。
そんな最中、私はアルペンに呼び出される。
「実は話があるんだけど」
「話?」
「カーネリアに子どもができたんだ」
「えっ」
聞いた瞬間はさすがに驚かずにはいられなかった。けれども、時間が経つにつれて、段々理解できてきた。心が追いついてきた。
厳密には、納得できてきた、という感じ。
あれだけ仲良くしていたのだ、そういうことになっていたとしても不自然さはない。ある意味自然な流れとも言えるだろう。二人きりになる時間が多かったのだから。
「そういう関係だったの……?」
「あ、あぁ。実は、そうなんだ。といっても、毎日とかではないよ。数回だけ」
そういう行為に至ったのが百回か千回か十回かなんて、あまり関係ない。
未来を誓った者がいるにもかかわらず別の人とそういうことになる、ということ自体が、問題行動と言えるのだから。
彼より二つ年下で、名はカーネリアという。学園に通っていた頃の後輩らしく、アルペンの卒業後も交流を続けているらしい。
アルペンはよく彼女との話をする。
二人は、毎週のように顔を合わせては、お茶をしたり酒を飲んだりするらしい。また、少し時間がある時には、お出掛けをすることも少なくないとか。学園の卒業生の中には二人が恋人だと勘違いしている者も少なくないらしい。
私は正直それを良く思っていなかった。
婚約者がいるのにどうしてそんなに遠慮がないの、などと、つい思ってしまって。
そんな最中、私はアルペンに呼び出される。
「実は話があるんだけど」
「話?」
「カーネリアに子どもができたんだ」
「えっ」
聞いた瞬間はさすがに驚かずにはいられなかった。けれども、時間が経つにつれて、段々理解できてきた。心が追いついてきた。
厳密には、納得できてきた、という感じ。
あれだけ仲良くしていたのだ、そういうことになっていたとしても不自然さはない。ある意味自然な流れとも言えるだろう。二人きりになる時間が多かったのだから。
「そういう関係だったの……?」
「あ、あぁ。実は、そうなんだ。といっても、毎日とかではないよ。数回だけ」
そういう行為に至ったのが百回か千回か十回かなんて、あまり関係ない。
未来を誓った者がいるにもかかわらず別の人とそういうことになる、ということ自体が、問題行動と言えるのだから。
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