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1話
しおりを挟む三つ年下の妹ネルフェリアは、地味な私とは対照的に可愛らしいお人形さんのような容姿の持ち主で、幼い頃から両親や周りの大人たちから愛されていた。
ただ可愛がられるだけなら良かったのだけれど、周りが甘やかしすぎたせいで彼女は凄まじいわがまま娘になってしまって。
また、姉である私を物凄く見下すような汚い心の持ち主となってしまった。
彼女は私の顔を見るたび「お姉さまって地味ですわよね~」とか「今日もパッとしないですわね~」などと嫌みを言ってくる。
でも、もう慣れている。
今さら腹も立たない。
だって彼女とはもうずっとそんな関係だから。
そんなある日、私は、中規模領主の家の出である青年アッドレイから「前に一度お見かけしてからずっと憧れていました」と言われ、婚約希望であることを告げられた。
そして彼と婚約することとなる。
「ふーん、お姉さまと? 見る目ない男ですわね!」
ネルフェリアは不機嫌だった。
私に少しでも良いことがあると彼女はいつもそんな感じになるのだ。
「ま、お姉さまのことだからすぐに捨てられますわよ。もしそうなったら……あたくしが慰めてあげますわね? ふふっ」
だが、彼女には企みがあったようで。
そこから彼女は本格的に動き出す。
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