1 / 2
前編
しおりを挟む婚約者デルフィネオスがある日突然告げてきたのは。
「お前との婚約は破棄とする」
――そんな言葉であった。
関係の解消。
それは二人の関係を根もとからぽっきりと折るようなもの。
「俺はさ、本当に好きな人と結ばれたいんだ。そのことにようやく気づいた――素晴らしい、非の打ちどころのない、女神のような彼女メリーサに出会って。そうしたらもうお前なんかかすに見えてきてさ。何で俺こんなやつと結婚しようとしてたんだろう? って感じに思えてきたんだ。俺、やっぱり多分、お前のことなんてどうでも良かったんだ」
彼は私のことを散々に言った果てに。
「――ってぇ、言われて今、どんな気持ちだァ?」
挑発的な顔を作ってくる。
「どんな気持ちィ? どゥ? どゥ? 答えてみなよゥ、答えろヤァ! ぅ、っ、ふぅー! どんな気持ちだァ? だァ? だだだァ? だァ? どんな気持ちィ? どゥ? どゥ? 答えてみなよゥ、答えろヤァ! ぅ、っ、ふぅー!」
さらにそんな意味の分からない言葉までかけてくる。
ふざけているのか?
あるいは馬鹿なのか?
「いまっいまいまァ、いまっいまァ! ふゥ! どーんな気持ちどんな気持ちィ? どゥ? どゥ? 答えてみなよゥ、答えろヤァ! ぅ、っ、ふぅー!どんな気持ちィ? どゥ? どゥ? 答えてみなよゥ、答えろヤァ! ぅ、っ、ふぅー! っ、ふふ、ッ、ふぅーっ!」
デルフィネオスは腰をくねらせて踊りながらそんな意味不明な言葉を並べ続ける。
0
あなたにおすすめの小説
幼馴染みで婚約者でもある彼が突然女を連れてきまして……!? ~しかし希望を捨てはしません、きっと幸せになるのです~
四季
恋愛
リアは幼馴染みで婚約者でもあるオーツクから婚約破棄を告げられた。
しかしその後まさかの良い出会いがあって……?
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
好きな人ができたなら仕方ない、お別れしましょう
四季
恋愛
フルエリーゼとハインツは婚約者同士。
親同士は知り合いで、年が近いということもあってそこそこ親しくしていた。最初のうちは良かったのだ。
しかし、ハインツが段々、心ここに在らずのような目をするようになって……。
お前は要らない、ですか。そうですか、分かりました。では私は去りますね。あ、私、こう見えても人気があるので、次の相手もすぐに見つかりますよ。
四季
恋愛
お前は要らない、ですか。
そうですか、分かりました。
では私は去りますね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる