婚約破棄を告げられたその時、青年が現れました。

四季

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後編

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 その時、一人の青年が現れた。

 すらりとした二十歳を少し越えたくらいと思われる男性。黒髪のショートヘアだが髪質は悪くなく、さらりとしている。目もとは涼しげだ。

「マレイ・エルリッヒさん」
「はい?」
「婚約破棄とのことですので、よければ、自分と婚約しませんか」
「え……」
「幸せにすると約束します」
「えええ……」

 その後青年が隣国の王子であることが判明。彼のことが好きかと聞かれればよく分からないが、私は一旦彼のところへ行くことにした。国にいても変な目で見られるだけだから。

 そして数年、私は青年と結ばれた。

「マレイさん」
「何ですか?」
「そういえば、以前貴女がいたあの国、滅んだそうですよ」
「え!」

 今ではすっかり隣国に定着している。まるでこの国で生まれ育ったかのようだ。かつていたあの国のことなんて、今や思い出すことも滅多にない。

「他国に攻め込まれ滅んだそうです。ダルゼン王子もエリーナさんと共に処刑されたとか」
「そんな」
「恐ろしいことですね。あぁ貴女が無事で良かった」
「えぇ。……ありがとう、あの時は助けてくれて」

 かつて私が暮らしていたあの国は、もうどこにも存在しない。


◆終わり◆
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