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前編
しおりを挟む幼き日、私は、異性ながら気の合う友人であったウードレッシと将来婚約しようと話していた。
「二十歳になったらあたしたちきっと婚約しようね!」
「うん! で、結婚するんだ!」
私は信じていた。
彼も同じ気持ちでいてくれているのだろうと思っていた。
けれど、二十歳になって再会すると、彼は別人のようになっていた。
背が伸びるのは分かる。あの頃からかなりの年数が経っているから。誰だって子どもから大人になれば背は伸びるものだ、私だってそう。だからその変化に関しては驚く要素はない。
でも、何だか妙に日焼けしているし、髪の毛は虹色だし、耳にはピアスだらけ――何というか、馴染めない感じだ。
「やぁ久しぶり、リーナ」
「久々ね。っていうか、髪の毛そんな派手な色だったかしら?」
「ああこれな、染めたんだよ」
「へえ、そうなの」
「で、何で呼ばれたわけ?」
「え……」
「何なんだよ」
「覚えていないの? 昔、二十歳になったら婚約しようって……」
すると彼は大笑い。
「馬鹿か! あんなの冗談に決まってるだろ! 本気なわけないだろ!」
そうか。
私は愚かだったのか。
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