妹から「地味でダサいお姉様には需要はありませんのよ!」と言われ、婚約者を奪っていかれてしまいました。が、その後私の方が幸せになりました。

四季

文字の大きさ
1 / 4

1話「奪われた婚約者」

しおりを挟む
 その日、妹リイナが私の婚約者である男性アルフルを連れて私の前へ姿を現した。

「お姉様! あたくし、アルフル様と婚約することになりましたの!」

 いきなりのことで理解が追い付かず戸惑っていると。

「地味でダサいお姉様には需要はありませんのよ! アルフル様は見る目のある殿方ですもの、お姉様みたいな地味ダサ女よりあたくしを選びましたの!」

 リイナは勝ち誇ったような顔でそのようなことを言ってくる。

 彼女の隣にいたアルフルへ視線を向ける。すると彼は申し訳なさそうな顔をした。どうやら乗り換えることへの罪悪感は少しはあるようである。だがリイナから「貴方からも言って差し上げて!」と促されると、彼は気まずそうな面持ちのまま「ごめん、君との婚約は破棄とするよ。妹さんと生きていくことに……決めたから」と発した。

「もうお互いの両親にも話はついていますわ。ということで! お姉様はここで消えてくださるわよね? ねっ?」
「……姉の婚約者を奪おうとは、発想が相変わらずね」
「はい~! 出ました! 負け惜しみ!」
「まぁいいわ。じゃあそういうことで。私は身を引くわ」
「んふっ! わきまえていて偉いですわね! お姉様っ」

 リイナは自ら積極的にアルフルと腕を組む。
 アルフルもそれを嫌がりはしない。
 一瞬リイナに何か脅されでもしているのかとも思ったが、どうやらそういうことでもなさそうだ。

 ということはつまり、アルフルもその気になっているのだろう。

「ねーえ、アルフル様っ。今夜早速貴方の部屋へ行っても良いかしら?」
「あ、ああ、いいよ、もちろん」
「んもー、どうしてそんなに暗いんですのぉ?」
「ここでそんな話するなよ、気まずいだろ。お姉さんとは夜に二人きりになったことなんてないのに」

 私の目の前でいちゃつく二人。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

退屈扱いされた私が、公爵様の教えで社交界を塗り替えるまで

有賀冬馬
恋愛
「お前は僕の隣に立つには足りない」――そう言い放たれた夜から、私の世界は壊れた。 辺境で侍女として働き始めた私は、公爵の教えで身だしなみも心も整えていく。 公爵は決して甘やかさない。だが、その公正さが私を変える力になった。 元婚約者の偽りは次々に暴かれ、私はもう泣かない。最後に私が選んだのは、自分を守ってくれた静かな人。

【完結】何でも奪っていく妹が、どこまで奪っていくのか実験してみた

東堂大稀(旧:To-do)
恋愛
 「リシェンヌとの婚約は破棄だ!」  その言葉が響いた瞬間、公爵令嬢リシェンヌと第三王子ヴィクトルとの十年続いた婚約が終わりを告げた。    「新たな婚約者は貴様の妹のロレッタだ!良いな!」  リシェンヌがめまいを覚える中、第三王子はさらに宣言する。  宣言する彼の横には、リシェンヌの二歳下の妹であるロレッタの嬉しそうな姿があった。  「お姉さま。私、ヴィクトル様のことが好きになってしまったの。ごめんなさいね」  まったく悪びれもしないロレッタの声がリシェンヌには呪いのように聞こえた。実の姉の婚約者を奪ったにもかかわらず、歪んだ喜びの表情を隠そうとしない。  その醜い笑みを、リシェンヌは呆然と見つめていた。  まただ……。  リシェンヌは絶望の中で思う。  彼女は妹が生まれた瞬間から、妹に奪われ続けてきたのだった……。 ※全八話 一週間ほどで完結します。

妹が「この世界って乙女ゲーじゃん!」とかわけのわからないことを言い出した

無色
恋愛
「この世界って乙女ゲーじゃん!」と言い出した、転生者を名乗る妹フェノンは、ゲーム知識を駆使してハーレムを作ろうとするが……彼女が狙った王子アクシオは、姉メイティアの婚約者だった。  静かな姉の中に眠る“狂気”に気付いたとき、フェノンは……

辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~

香木陽灯
恋愛
 「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」  実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。  「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」  「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」  二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。 ※ふんわり設定です。 ※他サイトにも掲載中です。

「可愛げがない」と婚約破棄された公爵令嬢ですが、領地経営をしていたのは私です

希羽
恋愛
「お前のような可愛げのない女との婚約は破棄する!」 卒業パーティの会場で、婚約者である第二王子デリックはそう宣言し、私の義妹ミナを抱き寄せました。 誰もが私が泣き崩れると思いましたが――正直、せいせいしました。 だって、王子の領地経営、借金返済、結界維持、それら全ての激務を一人でこなしていたのは「可愛げのない」私だったのですから。 「承知しました。では、あとはミナと二人で頑張ってください」 私は手切れ金代わりに面倒な仕事を全て置いて国を出ました。 すると、国境で待っていたのは、隣国ガルガディア帝国の冷徹皇太子ことクライド様。なぜか彼は私を溺愛し、帝国で最高の地位と環境を与えてくれて……。

婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています

由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、 悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。 王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。 だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、 冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。 再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。 広場で語られる真実。 そして、無自覚に人を惹きつけてしまう リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。 これは、 悪役令嬢として断罪された少女が、 「誰かの物語の脇役」ではなく、 自分自身の人生を取り戻す物語。 過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、 彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。

【完結】男装して会いに行ったら婚約破棄されていたので、近衛として地味に復讐したいと思います。

銀杏鹿
恋愛
次期皇后のアイリスは、婚約者である王に会うついでに驚かせようと、男に変装し近衛として近づく。 しかし、王が自分以外の者と結婚しようとしていると知り、怒りに震えた彼女は、男装を解かないまま、復讐しようと考える。 しかし、男装が完璧過ぎたのか、王の意中の相手やら、王弟殿下やら、その従者に目をつけられてしまい……

「お姉さまみたいな地味な人を愛する殿方なんてこの世にいなくってよ!」それが妹の口癖でした、が……

四季
恋愛
「お姉さまみたいな地味な人を愛する殿方なんてこの世にいなくってよ!」 それが妹の口癖でした。

処理中です...