真実の愛とかいうものに気づいた婚約者が婚約破棄を希望してきました

四季

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前編

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「ごめんローゼリア。今さらになって悪いんだけど、婚約破棄してくれるかな」

 私、ローゼリア・ファロインは、婚約者であるヘインから突然そんなことを告げられた。

「はい?」

 ヘインとは数ヶ月前に婚約した。
 あとは結婚へ進むだけ、と考えていたのだが、どうやらすんなりというわけにもいかないようだ。

「実はさ、レイシアちゃんと仲良くなってさ、それで気づいたんだよね」
「気づいた?」
「これこそが真実な愛だってことに気づいてしまったんだよね」
「あぁ……そういうやつ……」

 新興領地持ちの家の一人娘であるレイシアのことは私も知っている。

 一ヶ月ほど前からヘインの周りをちょろちょろしている女だ。

 陶器のように滑らかな肌、長い睫毛とそれに彩られたアーモンド型の目、絵に描いたような長い金髪。レイシアは容姿が素晴らしいと男性に人気らしい。ただ、その一方で、多くの女性からは嫌われている。他人の旦那や婚約者に手を出してきて鬱陶しい、というのが、女性たちからの評判なのである。

 今度はヘインに手を出すのか、と、面倒臭く思ってはいたのだけれど。

 予想していたより進展が早かったみたいだ。
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