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前編
しおりを挟む愚かだと言われても構わない。
だって僕は君に惚れたんだ。
どうあがいてもこの感情からはきっと逃れられない、なら思いきって一度伝えてしまおう――そう考えて、僕は想いを告げることにした。
「好きです!!」
君はとても美しい女性。
長くしっとりと伸びた金髪も、ほんわりした色みの頬も、長い睫毛や瑞々しさを帯びたこげ茶色の瞳も――すべて魅力的で、僕の心を掴んで離さない。
「え……っと、あの」
「惚れました!!」
「それは……ええと、また、突然ですね……?」
女性は戸惑ったような顔をしていたけれど。
「ごめんなさい、急に。気持ち悪いと言われても構いません。でも、それでも、どうしても想いを伝えたくって……なので失礼かもしれないですがどうか伝えさせてください!!」
少しの空白の後、うっすらと色づいた唇に微かな笑みを滲ませて。
「海でも……見に行きませんか?」
彼女はそっとそう言った。
呟くような控えめな言い方だが、そこには冷たさや悪意は含まれていない。
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