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急に告げられた婚約破棄! 〜あぁはい、まぁ、お好きなようになさってください〜

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 その日は何の前触れもなくやって来た。

「本日をもって、君との婚約は破棄とさせてもらう!」

 婚約者ネピェーフルにはっきり宣言された。

「え……いきなり過ぎません?」
「知るか! 俺が決めたんだ!」
「あぁはい……まぁ、お好きなようになさってください……」

 私は彼の屋敷から立ち去った。

 これ以上ややこしい話にしたくなかったから。


 ◆


 それから数年、私は以前から知り合いでそこそこ親しかった街のパン屋の店員である青年と結婚した。

 彼といる方がネピェーフルといるよりずっといい。
 気が楽だし、心地よい。

 そういえば。

 これは親から聞いたことだが、ネピェーフルはあの後束縛が凄まじい女性と結婚してしまい痛い目に遭ったらしい。


◆終わり◆
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