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前編

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 レブレフト王国の国王には三人の息子がいる。

 彼らは揃って異性関係によって身を滅ぼした。

 今日はその話をしよう――。

 長男ロイス、国の将来の担う立場であった彼には、有力貴族の令嬢が婚約者として存在していた。しかしロイスは侍女の一人を可愛がっていて、彼女にばかり気を向けていて。婚約者のことは放置、向こうから声をかけらえても流す程度だった。

 そして、ある時ついに、ロイスと侍女の深い関係が婚約者にばれてしまう。

 それによってロイスは、婚約者の父親から激怒され婚約の破棄を宣言されてしまった。そしてもちろん、高額な慰謝料の支払いも求められた。

 その話によってロイスは父である国王と不仲になり、やがて、大喧嘩をして勘当されることとなった。

 王子でなくなったロイスは愛する侍女と共に生きていこうと考えたのだが――侍女はそれに応えなかった。

 そう、王子でなくなったロイスなど侍女からしてみれば何の価値もなかったのだ。

 金も地位もそれほどない。
 そんな男を愛する侍女ではなかった。

 そうしてロイスはすべてを失うこととなったのである。
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