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2話
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こうして私はウィルブレフとの関係を強制的に解消させられることとなってしまった。
「ごめんなさいねぇ? お姉さま。け! ど! 将来きっとこれで良かったんだって思うはずですわ。お姉さまは高望みをせず自分につり合っている殿方を選ぶ方が絶対幸せになれますわよ。うっふふ!」
妹はウィルブレフの胴体に両腕を絡め、勝ち誇ったようにそんなことを言っていた。
――だが、彼女が私とウィルブレフの関係を壊し奪い取ったことを知った時、父は信じられないほど激怒した。
「リリ! 貴様! なんということをするんだ! 姉から男を奪う、他者の婚約者を奪うなど……人として最低な行為だろう! たとえ家族だとしても、許されたことではないぞ!」
父が私の味方をしてくれたのは意外だったけれど。
「お、お父様っ……わたしはただ、お姉さまにはもっと相応しい殿方がいらっしゃると思って、それで……」
「黙れ!!」
「ひっ……」
「姉の男に手を出し、奪い取る。そんなことをするやつは我が娘ではないッ!! 出ていけ、リリ。そして二度と戻るな。永遠にさよなら、だッ!!」
こうしてリリは家から永久追放されたのだった。
彼女はウィルブレフを手に入れはしたけれど、その代わり、とても大きなものを失った。
「ごめんなさいねぇ? お姉さま。け! ど! 将来きっとこれで良かったんだって思うはずですわ。お姉さまは高望みをせず自分につり合っている殿方を選ぶ方が絶対幸せになれますわよ。うっふふ!」
妹はウィルブレフの胴体に両腕を絡め、勝ち誇ったようにそんなことを言っていた。
――だが、彼女が私とウィルブレフの関係を壊し奪い取ったことを知った時、父は信じられないほど激怒した。
「リリ! 貴様! なんということをするんだ! 姉から男を奪う、他者の婚約者を奪うなど……人として最低な行為だろう! たとえ家族だとしても、許されたことではないぞ!」
父が私の味方をしてくれたのは意外だったけれど。
「お、お父様っ……わたしはただ、お姉さまにはもっと相応しい殿方がいらっしゃると思って、それで……」
「黙れ!!」
「ひっ……」
「姉の男に手を出し、奪い取る。そんなことをするやつは我が娘ではないッ!! 出ていけ、リリ。そして二度と戻るな。永遠にさよなら、だッ!!」
こうしてリリは家から永久追放されたのだった。
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