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後編

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 ◆


 あれから数年。

 先日、私は国王より直々に表彰された。

 何をしたのかというと。
 あの婚約破棄の直後になぜか覚醒した能力――絶滅魔法を使って、国の危機を救ったのである。

 絶滅魔法、それは偉大な力であった。

 大量の魔物が攻めてきたのだが、絶滅魔法を使ってそれらを撃退。それによって結果的に国を護ることとなって。そうして私は国を護った女性として有名になり表彰もされたのだ。

 そんな私はもうすぐ王子と結婚する。

 これは国王陛下の希望であり、また、王子の希望でもあった。

 だからこそ応じた。
 王子が嫌がっていないのならと思って。

 ちなみに元婚約者の彼はというと――星ひとつ見えていないような真っ暗な夜に、家の近くにある石の階段から転落し、その勢いで頭を打ち死亡したようだ。

 また、彼の家族にも、その事件の日以降なぜかやたらと不幸が降りかかるようになったとの噂を聞いている。

 不思議なこともあるものだなぁ、と思った。


◆終わり◆
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