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1話
しおりを挟む「もぉ、やっだぁ、大胆過ぎぃ」
「いいじゃないかべつに」
「えぇ~? これはさすがにやり過ぎじゃなぁ~い?」
ちょっとした用事で婚約者エーベルガートの家へ行った私は、部屋が近づくにつれて聞こえてきた甘い男女のじゃれあうような声に戸惑う。
これは一体何の声なのだろう?
もしかして客でも来ているのか?
でも……それにしては、不自然な甘さのある声だ。
友人や知人が来ているのであれば、たとえ相手が女性だとしても、ここまで甘い深い仲であるかのような喋り方にならないだろう。
ということはもしかして……浮気? そういう相手がいる?
エーベルガートは誠実な人だと思っていた。だから彼が道に外れたことをしているかもなんて疑ったことは一度もなかったのだ。もし彼が少しそういう感じの人であったのなら疑ったり警戒したりしたかもしれないけれど。彼に関してはそんなことはないだろうと当たり前のように思っていた。それに、実際、これまで怪しい場面を目撃したことはなかったし。
でもこれは……正直怪しいと思わずにはいられない展開だ。
「エーベルガートさん! こーんにーちはー!」
私は思いきって大きな声で挨拶しつつ彼の前に現れてみることにした。
幸い、扉は開いていた。
「あ……」
「え……」
扉を勢いよく開けた時、視界に飛び込んできたのはやはり女と一緒にいるエーベルガートであった。
しかも二人して薄着である。
裸でなかっただけまだましとも言えるが……。
ただどうしても戸惑わずにはいられない……。
そして、さらに驚くことが。
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