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後編
しおりを挟むそうして始まるアマリリスとパルミーの対決。
これは『どちらが真の聖女か』を決める戦い。
そういう意味では、己の存在価値を賭けて、という絶対に負けられない戦いなのである。
しかしアマリリスは冷静だ――なぜって、自分が本物であると知っているから。
己が本物なのだ、慌てる必要はない。
――勝利は必ず、ここに。
アマリリスは、神に祈り、そして己に誓った。
「あんたみたいなやつ、すぐ吹っ飛ばしてやるわ! この聖女様がねっ」
「負けはありません」
結果、パルミーは敗北した。
アマリリスが放った一撃目の光魔法によってその美しい女性の姿という皮を剥がれてしまった彼女は、本性である醜い怪物の姿を皆の前で晒すこととなった。
それによってパルミーの心は折れて。
その次の攻撃にて、塵となり、消滅した。
目の前でパルミーが消えた。
目の前で愛した女が消滅させられた。
その事実に耐えられなかったアインツは、皆に制止されながらも「人殺しが!!」と叫びアマリリスに突進。
その手にはナイフ。
しかしその武器がアマリリスの身に触れる直前、彼は腕ごと武器を消滅させられてしまった。
「貴方もですよ、害悪です」
アマリリスが小さく言えば、アインツの身も消滅した。
「ぐぎゃああああああ!!」
それがアインツの最期の言葉となった。
後日、王家の者のほとんどがずっと前から怪物に乗っ取られていたことが判明し、それによって王家は信頼を失くした――そして、国民からの意見もあり、王家による統治は終了することとなったのであった。
ただ、聖女であるアマリリスは王家の人間とはまた別なので表舞台に残ることとなる。
やがてアマリリスは協力者アドラスと結婚。
末永く、国を統治した。
◆終わり◆
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