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前編
しおりを挟む「君との婚約は破棄する!!」
その声が脳内で何度もこだまする。
もう別れたのに。
それでもなお、声は消えない。
一度耳に入った声、言葉、それらはなかなかしぶといもので。何も思っていない時には気にならないのに、いざ消したいと思った途端に消せなくなってしまう。その言葉は、その声は、呪いのようにこの身に――否、この耳に、へばりついている。
どうあがいても絶望。
逃れられないのなら、もういっそ――。
そう思って、私は今日、滝へやって来た。
ここで生を終えようと考えて。
もうすべてを終わらせようと。
親には申し訳ないけれど、このまま生きていても希望なんてない。それどころか絶望が濃くなるばかり。きっともう昔みたいには笑えない。
ならばここで霧になって消えてしまいたい。
それが願いだったから、だから、誰にも言わずここに来た。
「あの、何してるんですか?」
「あ……」
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