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前編
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青い空を、白い鳥が飛んでゆく。
どこまでも澄んだ空。
絵画のように美しい風景。
そんなとても素晴らしい朝のこと。
「おまえとの婚約さー、破棄さー、することにしたからさー」
身体から納豆の匂いがする婚約者ルッルンからそんなことを告げられてしまった。
彼は右手の太い幼虫のような指を鼻の穴に突っ込み鼻くそをほじる。
婚約破棄という人生に関わるような話をしている時なのにその顔つきに真剣さはほぼなく、むしろ日頃以上にリラックスしているようにも見える。
なぜ?
どうしてそんなに気楽な感じなの?
婚約破棄って、そんなのんびりまったり寛ぎながらする話じゃない。
でも、彼にとってはたいしたことではないのかもしれない。私が真剣に受け取っているだけで。私の感覚と彼の感覚には大きな差があるのだとしたら、彼が鼻くそをとろうと鼻の穴をこじ開けながら話しているのもまったくもって理解できないということはない。婚約破棄というものが、彼にとってその程度なのなら。
「だからさー、今日でお別れってことだからさー、いいよなー」
彼はとれた小指の爪くらいの大きさの鼻くそを食べた。
「そうですね、分かりました」
「じゃーなー」
「はい。さようなら」
彼と生きてゆくのは無理。
そう感じて。
だから私は婚約破棄を大人しく受け入れることにした。
◆
その後私は親友の親戚の紹介でとあるパーティーに参加し、そこで第三王子と出会い彼に気に入られて、やがて結ばれた。
話が進む時というのは、不思議なもので、自分でも驚くくらいどんどん進んでゆくものだ。
第三王子との結婚の件もそれだった。
最初は王子相手にやっていく自信がなかったのだけれど、迷いながらも話はどんどん進んでいってしまっており、気づけば王子と結婚していた。
どこまでも澄んだ空。
絵画のように美しい風景。
そんなとても素晴らしい朝のこと。
「おまえとの婚約さー、破棄さー、することにしたからさー」
身体から納豆の匂いがする婚約者ルッルンからそんなことを告げられてしまった。
彼は右手の太い幼虫のような指を鼻の穴に突っ込み鼻くそをほじる。
婚約破棄という人生に関わるような話をしている時なのにその顔つきに真剣さはほぼなく、むしろ日頃以上にリラックスしているようにも見える。
なぜ?
どうしてそんなに気楽な感じなの?
婚約破棄って、そんなのんびりまったり寛ぎながらする話じゃない。
でも、彼にとってはたいしたことではないのかもしれない。私が真剣に受け取っているだけで。私の感覚と彼の感覚には大きな差があるのだとしたら、彼が鼻くそをとろうと鼻の穴をこじ開けながら話しているのもまったくもって理解できないということはない。婚約破棄というものが、彼にとってその程度なのなら。
「だからさー、今日でお別れってことだからさー、いいよなー」
彼はとれた小指の爪くらいの大きさの鼻くそを食べた。
「そうですね、分かりました」
「じゃーなー」
「はい。さようなら」
彼と生きてゆくのは無理。
そう感じて。
だから私は婚約破棄を大人しく受け入れることにした。
◆
その後私は親友の親戚の紹介でとあるパーティーに参加し、そこで第三王子と出会い彼に気に入られて、やがて結ばれた。
話が進む時というのは、不思議なもので、自分でも驚くくらいどんどん進んでゆくものだ。
第三王子との結婚の件もそれだった。
最初は王子相手にやっていく自信がなかったのだけれど、迷いながらも話はどんどん進んでいってしまっており、気づけば王子と結婚していた。
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