働きたい令嬢は婚約破棄されても痛くない!

四季

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前編

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「君の容姿が嫌いだ。プライドが高そうな感じが不愉快なんだよ。よって婚約は破棄させてもらう」

 ある日の食事会にて、歴史ある領地持ちの家の令嬢フォルテは、躊躇なく婚約破棄を告げられた。

 しかし彼女は驚きも慌てもしない。

「そうですか。分かりました、それで構いません」

 周囲の人たちは驚いたり焦ったような顔をしたりしているが、フォルテ自身はさほど表情を変えない。陶器人形のような肌が特徴的な顔に柔らかな笑みを浮かべたまま。

「念のため伝えておくが、そういうところも嫌いだ」
「それは失礼しました」
「さっさと去ってくれ。二度と顔も見たくない」
「では失礼しますね」

 こうしてフォルテは笑顔のまま婚約者ベベルーンと別れた。

 婚約破棄——それは時に名誉に傷をつける。
 そういう経験があるとなれば、問題のある人と判断される可能性もないことはない。

 それだけに婚約破棄というものを恐れている者も少なくはない。
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