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後編

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 ◆


 あれから一週間、リロードとリーニアはこの世を去った。

 二人の関係を知ってしまったあの夜、私が去ったちょうどその直後くらいに、あの家に賊が入ったそうで。一応命ではなく金銭や金目の物を狙っている賊ではあったようだが、見つかってしまったために、二人その場で惨殺されたそうだ。

 あの時去っていなかったら私も殺されていたかもしれない……。

 そう思うと、あの急展開も悪いものではなかったのかもしれない。
 理不尽ではあるが追い出してもらっていたおかげで私だけは生き延びられたのだから、リロードには感謝だ。


 ◆


 婚約破棄から二年ほどが経ち、私はついに結婚の日を迎えた。

「君を幸せにする。絶対に。そう誓うよ」
「ありがとうマシュレオン」

 もうすぐ我が夫となる彼マシュレオンは資産家の息子であり、本を読むことが大好きな人だ。

 彼はいつも私に寄り添ってくれる人。
 だからこそ彼のことは信頼している。

「一緒に、幸せになりましょう」

 彼と向き合う時、私はいつだって笑顔だ。

 こんな日々が、こんな関係が、いつまでも続いてほしい。


◆終わり◆
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