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後編
しおりを挟むだがその直後想定していなかったことが起こった。
「久しぶり!」
「あ……あ、アルフレット!?」
そう、懐かしい彼と街中で再会したのである。
そこからの展開は驚くくらい早いもので。私たちはすぐに昔のような仲良しに戻った。で、結果的には、結ばれた。彼はまだ私を想ってくれていたのだ。そんな積極的な彼に変な意味ではないが迫られて、それで、気づけば私たちはあっという間に特別な二人になっていた。
「やっぱり好きだよ、君のこと!」
「ありがとう」
私たちは今、幸せの頂点にいる。
でもここは終着点ではない。
もちろんこの道の先にはもっと華やかな世界があるのだろう。
彼と手を取り合って歩んでゆけたなら、きっときっと、行く道にはたくさんの幸福の花が咲くだろう。
「けど、結婚できるなんて嘘みたいだなぁ。夢みたいっていうか。本当に……本当に、幸せだよ」
「私も幸せよ」
「短くない!?」
「でもそれが本心なのよ」
「あ、そっか……そういえば君は昔からそうだったね、何でも簡潔に言うんだよ」
「ふふ」
ちなみにウィーズはというと、あの後婚約と婚約破棄を十回以上繰り返していたようだ。
彼が何度も婚約破棄される理由はほぼすべて「不潔だから」というようなものだったそう。
やはりか……、と思ってしまった。
失礼かもしれないけれど。
でもそれが本心だ。
そして彼に出会った女性たちは皆私と同じような気持ちだったのだと思う。
ただ、本人だけは自分の不潔さには気づいていないようで。
女は皆見る目がない! などと愚痴を言っているそうだ。
可哀想に。
そんな感じではきっと状況は一生改善されないだろう。
彼は一生孤独に生きてゆくこととなるに違いない。
◆終わり◆
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