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私は好きでした。でも、彼は金目当てでした。
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ずっと好きだった。彼のことが。だから婚約者になれた時は嬉しかった。天にも昇る心地だった。だって、ずっと憧れていた人と一緒になれるんだもの。こんな幸せない、と思った。
でも彼は私を見てはいなかった。
「悪いが婚約破棄させてくれ」
「え……」
「親しい彼女との生涯を諦められなくなったんだ。悪いな」
「そ、そんな……」
告げられた時は、雷に打たれたみたいだった。
「君のことは元々好きでも何でもなかったんだ。やはり、心に嘘はつけない」
「ではどうして……? 私と婚約したのですか……?」
「金だよ。君の家に金があるから、君に惹かれた理由はそれだけだよ」
「そんな……」
「じゃあこれにて。ばいばい」
私は抗えなかった。何か言葉を返す、説得する、その時間さえ与えられなくて。私はあっさりと捨てられてしまった。
後に聞いた噂によると。
彼は本当に愛していると言っていた女性と改めて婚約し、結婚へと話を進めることにしたらしい。だが、女性の兄は、女性を愛するあまりその話を受け入れられなくて。私の婚約者だった彼は、ある夜、女性の兄に襲われて重傷を負うこととなってしまったそうだ。
何とか一命は取り留めたようだったが。
それでも、もう二度と、女性と会うことはできなかったらしい。
ちなみに私はというと、婚約破棄された数年後、親の知人が紹介してくれた青年と顔を合わせることとなった。最初は乗り気でなかったけれど、段々青年の素朴なところに魅力を感じるようになり。付き合いを経て、めでたく結ばれた。
色々あったが、穏やかな幸せに満ちた人生だった。
◆終わり◆
でも彼は私を見てはいなかった。
「悪いが婚約破棄させてくれ」
「え……」
「親しい彼女との生涯を諦められなくなったんだ。悪いな」
「そ、そんな……」
告げられた時は、雷に打たれたみたいだった。
「君のことは元々好きでも何でもなかったんだ。やはり、心に嘘はつけない」
「ではどうして……? 私と婚約したのですか……?」
「金だよ。君の家に金があるから、君に惹かれた理由はそれだけだよ」
「そんな……」
「じゃあこれにて。ばいばい」
私は抗えなかった。何か言葉を返す、説得する、その時間さえ与えられなくて。私はあっさりと捨てられてしまった。
後に聞いた噂によると。
彼は本当に愛していると言っていた女性と改めて婚約し、結婚へと話を進めることにしたらしい。だが、女性の兄は、女性を愛するあまりその話を受け入れられなくて。私の婚約者だった彼は、ある夜、女性の兄に襲われて重傷を負うこととなってしまったそうだ。
何とか一命は取り留めたようだったが。
それでも、もう二度と、女性と会うことはできなかったらしい。
ちなみに私はというと、婚約破棄された数年後、親の知人が紹介してくれた青年と顔を合わせることとなった。最初は乗り気でなかったけれど、段々青年の素朴なところに魅力を感じるようになり。付き合いを経て、めでたく結ばれた。
色々あったが、穏やかな幸せに満ちた人生だった。
◆終わり◆
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