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後編
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その後私は結婚した。
相手は商売人の息子である青年であった。
「そっか。そんなことがあったんだね」
「ええ」
「辛いね、それは」
「分かってくれる?」
「すべてを理解できるとは思わないよ。経験したことはないから。ただ、辛いだろうなってことは想像できるんだ」
色々あったけれど、幸せを掴むことはできた。
これからはこの大切な幸福を守ってゆく。
「ごめんなさいね、何というか……ちょっと、暗くなってしまって」
「え? いいよ! そんなの! 気にしないでよ!」
「……ありがとう」
穏やかな幸せ、そういう幸せの形もあるのだと――彼に出会って知った。
「あ、そうだ、昨日手に入った茶葉があるんだ! 飲んでみようよ」
「ええ。飲んでみたいわ」
「じゃ、淹れてくるね?」
「ありがとう」
ちなみに、レイレとその母親は、孫である私が傷つけられたと知って激怒した祖父――私の母の父によって、拘束され拷問のようなことをされた後に処刑された。
二人は別室にて数ヶ月にわたって拷問され、精神が壊れてもなお痛めつけられ続けていたそうだ。
最終的に二人を処刑したのは、あくまで、いつまでも生かしておくのが面倒だったから。
優しさではなかったようだ。
◆終わり◆
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