2 / 2
後編
しおりを挟む――だが身勝手な嘘で彼女を捨てたアルドレがそのまま何もなく許されるということはなかった。
エンフォーニカは女神に愛された女性だ。たとえ彼女自身がそれを望んだわけではなくとも。それでも彼女を雑に扱った者には時に罰がくだるのである。アルドレとウルネ、その二人は罰をくだされる対象となった。
先に罰が下ったのはウルネ。
彼女は馬車での移動中に事故に遭いその色気のある美貌を失うこととなった。
牡丹のような容姿を失ったためにアルドレからは「君といる意味はなくなった」と言われ見放された。
孤独に放り込まれることとなったウルネ。
彼女は絶望の果てに自らこの世から去ることを選んだのだった。
一方アルドレはというと、彼もまたいくつもの災難に見舞われることとなる。
愛犬を亡くし、兄弟を亡くし、と、急にたくさんのものを失うようになっていった彼。悲しみの海に落とされ、徐々に心が壊れてゆく。そしてとどめとなったのが親と喧嘩して勘当されたこと。それによって彼は生きる場所を失った。その後彼はやむを得ず城を出てしばらく国内を放浪していたが、ある冬の夜あまりの寒さに凍え、居眠りしたまま亡くなってしまった。
二人は惨めな最期を迎えたのだった。
それとは対照的に、エンフォーニカは幸せになった。
一度は意味不明な婚約破棄を経験した彼女だが、持ち前の前向きさを発揮して懸命に生きて。そんな彼女だから、多くの者に愛され、また温かく応援されていた。
で、後に大国の王太子と結婚し、皆から祝福されつつ幸せになったのだった。
◆終わり◆
10
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
遊び人の侯爵嫡男がお茶会で婚約者に言われた意外なひと言
夢見楽土
恋愛
侯爵嫡男のエドワードは、何かと悪ぶる遊び人。勢いで、今後も女遊びをする旨を婚約者に言ってしまいます。それに対する婚約者の反応は意外なもので……
短く拙いお話ですが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
このお話は小説家になろう様にも掲載しています。
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
お前を愛することはないと言われたので、愛人を作りましょうか
碧井 汐桜香
恋愛
結婚初夜に“お前を愛することはない”と言われたシャーリー。
いや、おたくの子爵家の負債事業を買い取る契約に基づく結婚なのですが、と言うこともなく、結婚生活についての契約条項を詰めていく。
どんな契約よりも強いという誓約魔法を使って、全てを取り決めた5年後……。
巻き戻される運命 ~私は王太子妃になり誰かに突き落とされ死んだ、そうしたら何故か三歳の子どもに戻っていた~
アキナヌカ
恋愛
私(わたくし)レティ・アマンド・アルメニアはこの国の第一王子と結婚した、でも彼は私のことを愛さずに仕事だけを押しつけた。そうして私は形だけの王太子妃になり、やがて側室の誰かにバルコニーから突き落とされて死んだ。でも、気がついたら私は三歳の子どもに戻っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる