身勝手な理由で捨てられた完璧王女は別の道を行き幸せになる。~彼女には女神の加護があります~

四季

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後編

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 ――だが身勝手な嘘で彼女を捨てたアルドレがそのまま何もなく許されるということはなかった。

 エンフォーニカは女神に愛された女性だ。たとえ彼女自身がそれを望んだわけではなくとも。それでも彼女を雑に扱った者には時に罰がくだるのである。アルドレとウルネ、その二人は罰をくだされる対象となった。

 先に罰が下ったのはウルネ。

 彼女は馬車での移動中に事故に遭いその色気のある美貌を失うこととなった。
 牡丹のような容姿を失ったためにアルドレからは「君といる意味はなくなった」と言われ見放された。

 孤独に放り込まれることとなったウルネ。
 彼女は絶望の果てに自らこの世から去ることを選んだのだった。

 一方アルドレはというと、彼もまたいくつもの災難に見舞われることとなる。

 愛犬を亡くし、兄弟を亡くし、と、急にたくさんのものを失うようになっていった彼。悲しみの海に落とされ、徐々に心が壊れてゆく。そしてとどめとなったのが親と喧嘩して勘当されたこと。それによって彼は生きる場所を失った。その後彼はやむを得ず城を出てしばらく国内を放浪していたが、ある冬の夜あまりの寒さに凍え、居眠りしたまま亡くなってしまった。

 二人は惨めな最期を迎えたのだった。

 それとは対照的に、エンフォーニカは幸せになった。

 一度は意味不明な婚約破棄を経験した彼女だが、持ち前の前向きさを発揮して懸命に生きて。そんな彼女だから、多くの者に愛され、また温かく応援されていた。

 で、後に大国の王太子と結婚し、皆から祝福されつつ幸せになったのだった。


◆終わり◆
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