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後編
しおりを挟む「気がついたみたいで良かったわ。何があったのかは知らないけれど……でも、生きていてくれればそれでもう十分ってものよね!」
母さんのためにも生きよう、そう思ったのだった。
その後私には本当に幸福がたくさん舞い込んできた。
王子から求婚されたり、父が遊びがてら一枚だけ買った宝くじが高額当選したり、祖母が持っていた金庫の中から驚くくらいの量の金塊が発見されたり――とにかく裕福になれるような要素が多数流れ込んできたのである。
そうして私は幸せを掴んだ。
裕福な生活をしつつ、王子との未来を考える――そんな日々はまるで夢の中にいるかのよう。
あの時聞いた声。あれが本当に女神の声であったかどうかは定かでない。が、あの声が言っていたことは嘘ではなかった、それだけは確かなことだ。あの時の声の主がもしこの世界に存在するのであれば、ありがとう、ただひたすらにそう言いたい。礼を言わせてほしい。
一方オードレイズはというと、結婚する予定であった女性に裏切られて長年薬物の違法取引をしていたという情報を売られてしまいそれによって逮捕され、社会的に終わったそうだ。
どうやら、彼には明るい未来はなかったようだ。
◆終わり◆
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