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婚約破棄されたことですし、水かけに全力を注ぎます!

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「君との婚約は本日をもって破棄とする!」

 婚約者フィブレルからある日突然そう告げられた。

「君のような夫となる人への忠誠心を欠いた女性には女性としての価値などない。女性として価値を認められたいのなら、夫となる人に対してどこまでも忠実であるべきだ。それができないなら、君は僕の妻にはなれないよ」

 フィブレルはいちいちうるさい。
 いつもこうだから鬱陶しい。

 でもそれも今日で終わりだ。


 ◆


 婚約破棄から数年、私は今、実家で水かけに全力を注いでいる。

 花壇への水やりはとても忙しい。
 けれども充実感があって楽しい。

 ちなみにフィブレルはというと……私との婚約を破棄した直後河川の氾濫に巻き込まれ流されてしまい落命してしまったそうだ。


◆終わり◆
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