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5話
◆
スカイが婚約者以外の女性と親しくしている事実が明るみに出た。
一つの噂であったものが、事実へと変貌する。
研修だなんだと嘘を並べて異性と会っていた。それは許される行為ではない。近しい人に嘘をつくだけでも問題だというのに、さらに裏切るような行為を繰り返していたのだから、その行いに問題がないとは言い難い。
婚約破棄の話が出た。
私の両親がスカイの行いに激怒したからである。
話し合い、手続きを終え、慰謝料の請求も完了。あとは支払いを待つのみとなる。スカイは親と共に慰謝料の支払い指示を無視しようとしていたが、ほぼ強制と同義な命令を出され、仕方なくではあるが払ってくれた。
その後耳に入ってきた話によると。
スカイはあの後、あの時の女性と結婚したらしい。何でも彼女の腹に子ができていたそうで。それで、熟考する間も与えられぬまま結婚することとなったそうだ。責任を取る、というような意味合いであったのかもしれない。
それから三人ほど子を設けたそうだ。
だが、子どもたちを不幸が襲う。
三人目に生まれた子は、出産後数日で死亡。これといって特別な何かがあったわけではないが、亡くなってしまったそうだ。数名の医師が診ても、死因ははっきりしなかったそうだ。
二人目に生まれた子は、数年はすくすと育ったのだが、ある春の日に道で馬車にぶつかられてしまったらしい。その際の負傷が原因となって、落命したそうだ。
ちなみに、一人目の子はというと、落命はしなかったもののある夜に誘拐されてしまった。その誘拐犯は後に捕まったのだが、捜索しても子どもは見つからず、結局行方不明のままとなってしまったそうだ。
スカイの妻は子どもたちを失ったことで心を病み、療養もかねて実家へ戻ることに。
一方スカイ自身はというと、妻の両親から色々言われ、理不尽なくらい責められたらしい。娘を傷つけた、娘をこんなにした、と。
そのうちにスカイも心を病んで。
ある日の夕暮れ、家から徒歩数分で到着する辺りの崖から身を投げたらしい。
◆終わり◆
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