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後編

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 ◆


 あれから八年ほどが経ちました。

 私は今、実家に住んで、飼育している動物たちと両親とで穏やかに暮らしています。

 起床してすぐに動物たちのお世話が始まるので、いきなり忙しく、たまには少しだけ苛立ちそうになってしまうこともあります。が、それでも、毎日お世話は欠かしません。彼らが少しでも楽しく健康的に生きられるよう努力するのが飼育する者の義務と思うので、彼らのため、毎日きちんとお世話をします。

 けれどもそれは嫌なことではないのです。

 彼らはいつも癒やしを与えてくれる。
 私はそのお礼もかねてお世話をするのです。

 忙しい日々ではありますが、不快かというとそんなことはまったくなく、むしろ楽しさや充実感に満ちています。
 これからもこんな風に楽しく穏やかに生きてゆけたらいいな、と、強く思っているところです。

 そういえば、これは最近、私の昔の友人から聞いたことなのですが。

 オダムスはあの後惚れた女性と結婚しようとプロポーズしたそうなのですが拒否されてしまい、それを機に心を病んでしまい、そのうちに怪しげな宗教団体に加入したそうで。それからは友人とも親戚とも親とも接触がなかったそうなのですが、つい先日になって彼が既に亡くなっていたという事実が発覚したそうです。


◆終わり◆
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