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前編
しおりを挟む「お前との婚約は破棄する」
婚約者であったリジュからそう告げられたのは、ある晴れた日のことだった。
リジュに呼び出された私は彼の家へと向かった。
するとそこで関係の終わりを告げられてしまったのだ。
まさかの展開に脳が停止してしまって。
何をどうすれば良いのか分からず――ただただ固まってしまうことしかできなかった。
「お前ってさ、ほんと、忠誠心ないよな。俺が誘っても全然相手してくれないし。ほんと萎えるわ。あれ以来萎えまくりでさ、お前の顔見るたびにげんなりするんだわ。あーもうまじで消えてほしいっていうか? お前の顔とか見てたら俺不幸になるわ」
リジュは心ない言葉を並べる。
「世にはもっと美人でもすぐ従ってくれてむしろ喜んでくれるくらいの女性もいるのにさぁ、お前くらいのレベルのやつがお高くとまり過ぎとかがち萎えなんだよ。呆れるわ。お前、自分がどんだけ素晴らしいと思ってんだよ、女神とでも思ってんのか? 馬鹿か? 脳みそなしか?」
彼は今、とても楽しそうだ。
彼は人を傷つけることが好きなのだろうか?
「それに、お前、勉学もまぁまぁだろ? 最高レベルじゃないよな。上から二番目のレベルの学校卒だろ? まぁごみだよなー。そんなレベルで、顔もまぁまぁで、忠誠心もないとか、ほんとあり得ないわ。くそだろ、糞だろ」
こうして私はリジュに捨てられた。
驚くくらいいきなりのことで。
数日はずっと泣きそうだった。
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