子どものようなわがままを言う王子が婚約者だったのですが、どうやら彼とは離れられることとなりそうです。

四季

文字の大きさ
1 / 3

1話

しおりを挟む

 私が婚約している王子ビトログリオッツ・フォン・エーミールベルは子どものようなわがままをたびたび言う人である。

 欲しいものがあれば寝転がって「欲しい欲しい欲しい、欲しいのーっ」などと叫びつつ四肢をじたばたさせる。
 嫌いな人と顔を合わせれば「大嫌い! 絶交な!」などと平気で言い放つ。
 料理に嫌いな野菜が入っていれば大勢の前であっても絶対に食べずこっそり残すでもなく「これ嫌い! だいっきらい! だって不味いもん。入れないでって前も言ったよね!? シェフ呼んでよ、叱るから!」などと大声で発する。

 ――そんなどうしようもない人だ、ビトログリオッツは。

 皆そのことは知っている。
 でも見て見ぬふりをしている。

 彼が王子だから。

 そして、その行動に対して何か言えば激怒されたり罰を与えられたりする可能性が高いから。

「シェーレ、ちょっといいかな」

 ビトログリオッツが声をかけてくる。

 嫌な予感しかしない。

「はい。何でしょうか」
「昨日さ、男と喋ってたよね」
「ええと……陛下ですよね? 貴方のお父様の」

 言えば。

「最低! 裏切り者!」

 彼はそんなことを叫ぶ。

「もう、婚約破棄だよ!」
「どうしてです」
「僕以外の男とは絶対喋らないでって、一言もって、前に言ったよね!?」
「陛下は例外では」
「男だよ!!」

 えええーっ……。

「父だって男! だからアウト!」

 一生牢屋にでも閉じ込めておきたい感じ?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

聖騎士様から溺愛される幸せな結婚生活

夜桜
恋愛
婚約破棄され湖に捨てられた公爵令嬢イリス・バレンタイン。 相手の伯爵の悪行を暴き、聖騎士ロイドの助けもあって制裁を下す。 二人はいつしか惹かれ合い、イリスとロイドは幸せな結婚生活を送る。

婚約破棄の理由はがさつすぎること!? ……ま、いっか。あたしはあたしで前を向いて幸せな未来へと歩いていこうかな!

四季
恋愛
婚約破棄の理由はがさつすぎること!? ……ま、いっか。 あたしはあたしで前を向いて幸せな未来へと歩いていこうかな!

失礼なことを言ったうえ婚約破棄してくるなんて……ね。~ハッピーエンドはやがて訪れるのです~

四季
恋愛
失礼なことを言ったうえ婚約破棄してくるなんて……ね。

婚約破棄は既に決定事項

アシコシツヨシ
恋愛
よくある婚約破棄がテーマの恋愛です。一話読み切りです。

不実なあなたに感謝を

黒木メイ
恋愛
王太子妃であるベアトリーチェと踊るのは最初のダンスのみ。落ち人のアンナとは望まれるまま何度も踊るのに。王太子であるマルコが誰に好意を寄せているかははたから見れば一目瞭然だ。けれど、マルコが心から愛しているのはベアトリーチェだけだった。そのことに気づいていながらも受け入れられないベアトリーチェ。そんな時、マルコとアンナがとうとう一線を越えたことを知る。――――不実なあなたを恨んだ回数は数知れず。けれど、今では感謝すらしている。愚かなあなたのおかげで『幸せ』を取り戻すことができたのだから。 ※異世界転移をしている登場人物がいますが主人公ではないためタグを外しています。 ※曖昧設定。 ※一旦完結。 ※性描写は匂わせ程度。 ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載予定。

王太子様に婚約破棄されたけど、私はあなたの婚約者ではないのですが

ぬぬぬ木
恋愛
貧乏男爵令嬢であるキャノンは、王太子様の婚約者であるセレナーデ令嬢の使用人をしている。美しい彼女だが、性格は恐ろしい程酷くって…… いつも命じれらるのは無茶な"お仕事"。そして勤務最終日の今日、命じられたのは卒業パーティに代わりに参加しろというもの! そこで王太子様から告げられる婚約破棄。……でもなんで私に言ってくるの!? 私あなたの婚約者じゃないんですけど!?

不幸を呼ぶ令嬢なので婚約破棄だと言われましたが、それは私のせいではありません。

coco
恋愛
「お前と居ると不幸が続く、婚約破棄しろ!」 度重なる不幸は、私のせいだと言う婚約者。 その不幸から逃れる為、彼は婚約破棄を要求してきた。 でも私は知っている、その不幸は私のせいでは無い事を。 私は、不幸を呼ぶ令嬢なんかじゃない。 それに気づかないあなたは、愚か者です─。

お姫様は死に、魔女様は目覚めた

悠十
恋愛
 とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。  しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。  そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして…… 「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」  姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。 「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」  魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……

処理中です...