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裏切りの結末
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フォックスとモルドスの間に入ったのはサーシャ様でした。
いったいどうするつもりなのでしょう。
いや、サーシャ様のことだから、きっと何の考えもなく飛び込んだのでしょう。
「サーシャ。貴女はいったいどうしたいのですか。もしも二度とこのフルガイアへ戻らず、人間界で暮らすのならば今回は見逃しても構わない。だがディミトリは駄目だ。彼の影響力は未だこのフルガイアでも大きい。彼を倒してこそフルガイアの統一が果たされるのだ。」
「あなたって馬鹿なのね。」
「なに?」
「あんな凄い戦いの終幕を、あなたみたいなのが汚しちゃ駄目でしょ。」
ほう、珍しくサーシャ様の言葉に重みを感じました。
さっきのレジェスとモルドスの戦いは二度と見れるようなものではありませんでした。
しかも最後はモルドスが潔く負けを認めるという、清々しささえありましたからね。
きっとその戦いに泥を塗る真似をしているフォックスに腹が立っているのでしょう。
「どうやら死にたいみたいですね、サーシャ。」
「私はあんたになんか負ける気がしないわ。」
これはとんだ場外戦が始まりました。
しかし、サーシャ様は剣を持っていません。
サーシャ様にレジェスのような戦いは当然出来ません。
ならば――。
「サーシャ様、これを使って下さい。」
僕は自分の剣をサーシャ様に放り投げました。
「こ、これは黒銅。使っていいの?」
僕は親指を立てて、こくりと頷きました。
「サンキュー、ピート。」
「俺に勝つつもりなのか、サーシャよ。」
「あんたにはシグレ島で世話になったからね。ここでお返しするわ。」
以前二人が戦った時はサーシャ様にはまだパープルアイズがありませんでした。
それにフォックスも本気ではなかったはず。
まず、サーシャ様にパープルアイズを使えるほどの力が残っているかどうかが勝負のポイントとなりそうですね。
「いくわよ!」
剣を構えるサーシャ様の瞳にはうっすらと紫がかかっていました。
「やっぱり前のモルドスとの戦いが響いてますね。パープルアイズが弱い。」
「ピート君。違うよ、そうじゃない。」
ディミトリさんの言葉に僕はすぐさま反応しました。
「どういうことですか?」
「サーシャのパープルアイズの力の半分は君の剣に宿っている。残りは全身を淀みなく一定に流れているようだ。こんなことが出来るなんて。」
僕にはいまいち良く分かりません。
するとシエルさんが驚くべきことを言いました。
「魔力を繊細にコントロールしてパープルアイズの力を上手く分散させているのよ。これはきっと、さっきレジェスがやっていたやつね。」
これにはびっくりしました。
サーシャ様はレジェスの戦い方をずっと見ていたのです。
もちろん僕らも見ていました。
ですがおそらく見方が違ったのでしょう。
僕らはレジェスを応援するように見ていましたが、サーシャ様はそのレジェスから何かを吸収しようと貪欲に見ていたに他なりません。
まったく、レジェスといいサーシャ様といい、どれだけの成長を見せてくれるんですか。
「悪いがサーシャ、お前がいくらパープルアイズを覚醒できたとはいえ俺の相手ではない。しかもお前はモルドスとの戦いで全てを出し尽くした。もはや俺の足元にも及ばないぜ。」
「剣士は剣にて語る。お喋りはいいからかかって来なさい。」
「ちっ!小娘が!」
フォックスは苛立ち、サーシャ様へと襲いかかりました。
これまでのフォックスの戦いを見る限り、彼は強いです。
それが本来の力を隠していたならば簡単な相手ではありません。
どう戦いますか、サーシャ様。
まずはフォックスが先手をとります。
左右の手に五本ずつ、小刀ほどの刃が生えています。
これがフォックスのフルガイアの民の能力です。
計十本の刃の攻撃を雨霰のように降らせていきます。
サーシャ様は後退しながらそれを避けていく。
「どうしたサーシャ、手も足も出まい!」
フォックスの攻撃にサーシャ様は防戦一方です。
しかし、サーシャ様の口元にはうっすら笑みが浮かんでいるように見えます。
「それがあなたの実力ってことね――全然大したことないわね。」
「な、なに!?ふざけるな!」
フォックスは怒りに震え、更に攻撃が激しくなります。
その時でした。
これまで後退りしていたサーシャ様が突如として前へ出ました。
そして、フォックスの左手の刃、五本全てを剣でスパン!と切り落としたではありませんか。
「ぐっ!お、おのれ!」
フォックスは残った右手で斬りかかります。
それをサーシャ様は僕の愛剣、黒銅で内側から巻き込む様に斬りました。
さらに体を一回転させ剣を持ち替えてフォックスの胴体を斬りました。
僕の黒銅は片側しか切れない仕様になっているので逆手から正手へと持ち替えなければ、あの態勢からはフォックスを切れませんでした。
それを瞬時にやってなのけるなんて、サーシャ様も剣士として一流になったのだと感じました。
「う、うそだろ。この俺がこんな小娘に殺られるなん……て。」
フォックスはその場に倒れました。
おそらくあの深手では絶命しているでしょう。
そしてサーシャ様はそのままレジェスの元へ。
「立てる?」
サーシャ様は手をレジェスへと差し伸べて言いました。
その華奢な手をレジェスは掴み立ち上がり、
「全然余裕だ。」と、強がってみせました。
なにはともあれ、これでこの戦いは終わったみたいですね。
「人間――レジェスよ。」
レジェスを呼び止めたのはモルドスでした。
「最強はお前だった。これからは最強の男を名乗るがいい。」
「なっ!私は元から最強だ。貴様に譲ってもらったような言い方はやめろ!」
「ちょっと待って最強を名乗るのは私を倒してからにしなさいよ。」
そこにサーシャ様も参戦です。
「サーシャ、お前はこいつに負けたではないか。その男に私は勝ったのだから私こそが唯一無二の最強だ。」
「違うわよ、レジェス。あなたがモルドスを倒せたのは私が、あいつの力を削いでやったからでしょう!」
なんか不毛な戦いが始まっていますが、僕らは関わらないほうがよいでしょう。
「我はこれまで神に仕えていると言っていたが、あれは幻想なのだと悟った……いや、最初から分かっていたのかも知れぬ。」
突然、モルドスは語り始めました。
それを機にサーシャ様とレジェスも言い争いを止めました。
「ここにいるのは神などではない、亡霊だ。ここはフルガイアの民やテルミナに住まう者たちが最後に行き着く墓場なのだ。」
「な、なんだと!?ここはパンドラではないのか?」
ディミトリさんも驚きの声を上げました。
「正直なところ、何も分からん。ここがパンドラなのかも知れぬし違うのかも知れぬ。我は亡霊たちに憑かれていたのだろう。その証拠に今はこれまで感じたこともないほどに清々しい気分だ。憑き物がとれた、といったところだろう。」
そんな話を聞いていると、モルドスもアイスも思ったほど悪人ではないのかも知れません。
モルドスはゆっくりと立ち上がり、アイスの元へと歩きました。
「兄上――。」
「アイス、我が弟よ。我はここにとどまる。お前はその者たちと共にフルガイアへ戻れ。」
「ふっ、何を言われるかと思えば。何故、兄上を置いていけましょうか。私も共にここに残ります。」
「本当にそれでよいのか。」
「ええ、私は今、自分の気持ちに正直に答えている。私は残ります。ディミトリ……様。どうかお元気で。」
アイスはやはりディミトリさんを敵視することが辛かったのだと思います。
しかしそれは今、この一瞬に解放されました。
アイスにとっては最高の幕引きだったのかもしれませんね。
僕らは去っていくモルドスとアイスの後ろ姿を、ただ見守りました。
「よし、それでは我々も帰るとしようか。」
ディミトリさんの言葉で僕ら全員、頷きました。
「えっと……皆さんちょっといいですか。」
「なによ、ピート。トイレにでも行きたいの?」
まったくサーシャ様は年下のくせに子供扱いしないで欲しいです。
それよりも皆、すっかり忘れている大事なことがあります。
というより僕もたった今、思い出したのですけどね。
「――どうやって帰るんです?」
いったいどうするつもりなのでしょう。
いや、サーシャ様のことだから、きっと何の考えもなく飛び込んだのでしょう。
「サーシャ。貴女はいったいどうしたいのですか。もしも二度とこのフルガイアへ戻らず、人間界で暮らすのならば今回は見逃しても構わない。だがディミトリは駄目だ。彼の影響力は未だこのフルガイアでも大きい。彼を倒してこそフルガイアの統一が果たされるのだ。」
「あなたって馬鹿なのね。」
「なに?」
「あんな凄い戦いの終幕を、あなたみたいなのが汚しちゃ駄目でしょ。」
ほう、珍しくサーシャ様の言葉に重みを感じました。
さっきのレジェスとモルドスの戦いは二度と見れるようなものではありませんでした。
しかも最後はモルドスが潔く負けを認めるという、清々しささえありましたからね。
きっとその戦いに泥を塗る真似をしているフォックスに腹が立っているのでしょう。
「どうやら死にたいみたいですね、サーシャ。」
「私はあんたになんか負ける気がしないわ。」
これはとんだ場外戦が始まりました。
しかし、サーシャ様は剣を持っていません。
サーシャ様にレジェスのような戦いは当然出来ません。
ならば――。
「サーシャ様、これを使って下さい。」
僕は自分の剣をサーシャ様に放り投げました。
「こ、これは黒銅。使っていいの?」
僕は親指を立てて、こくりと頷きました。
「サンキュー、ピート。」
「俺に勝つつもりなのか、サーシャよ。」
「あんたにはシグレ島で世話になったからね。ここでお返しするわ。」
以前二人が戦った時はサーシャ様にはまだパープルアイズがありませんでした。
それにフォックスも本気ではなかったはず。
まず、サーシャ様にパープルアイズを使えるほどの力が残っているかどうかが勝負のポイントとなりそうですね。
「いくわよ!」
剣を構えるサーシャ様の瞳にはうっすらと紫がかかっていました。
「やっぱり前のモルドスとの戦いが響いてますね。パープルアイズが弱い。」
「ピート君。違うよ、そうじゃない。」
ディミトリさんの言葉に僕はすぐさま反応しました。
「どういうことですか?」
「サーシャのパープルアイズの力の半分は君の剣に宿っている。残りは全身を淀みなく一定に流れているようだ。こんなことが出来るなんて。」
僕にはいまいち良く分かりません。
するとシエルさんが驚くべきことを言いました。
「魔力を繊細にコントロールしてパープルアイズの力を上手く分散させているのよ。これはきっと、さっきレジェスがやっていたやつね。」
これにはびっくりしました。
サーシャ様はレジェスの戦い方をずっと見ていたのです。
もちろん僕らも見ていました。
ですがおそらく見方が違ったのでしょう。
僕らはレジェスを応援するように見ていましたが、サーシャ様はそのレジェスから何かを吸収しようと貪欲に見ていたに他なりません。
まったく、レジェスといいサーシャ様といい、どれだけの成長を見せてくれるんですか。
「悪いがサーシャ、お前がいくらパープルアイズを覚醒できたとはいえ俺の相手ではない。しかもお前はモルドスとの戦いで全てを出し尽くした。もはや俺の足元にも及ばないぜ。」
「剣士は剣にて語る。お喋りはいいからかかって来なさい。」
「ちっ!小娘が!」
フォックスは苛立ち、サーシャ様へと襲いかかりました。
これまでのフォックスの戦いを見る限り、彼は強いです。
それが本来の力を隠していたならば簡単な相手ではありません。
どう戦いますか、サーシャ様。
まずはフォックスが先手をとります。
左右の手に五本ずつ、小刀ほどの刃が生えています。
これがフォックスのフルガイアの民の能力です。
計十本の刃の攻撃を雨霰のように降らせていきます。
サーシャ様は後退しながらそれを避けていく。
「どうしたサーシャ、手も足も出まい!」
フォックスの攻撃にサーシャ様は防戦一方です。
しかし、サーシャ様の口元にはうっすら笑みが浮かんでいるように見えます。
「それがあなたの実力ってことね――全然大したことないわね。」
「な、なに!?ふざけるな!」
フォックスは怒りに震え、更に攻撃が激しくなります。
その時でした。
これまで後退りしていたサーシャ様が突如として前へ出ました。
そして、フォックスの左手の刃、五本全てを剣でスパン!と切り落としたではありませんか。
「ぐっ!お、おのれ!」
フォックスは残った右手で斬りかかります。
それをサーシャ様は僕の愛剣、黒銅で内側から巻き込む様に斬りました。
さらに体を一回転させ剣を持ち替えてフォックスの胴体を斬りました。
僕の黒銅は片側しか切れない仕様になっているので逆手から正手へと持ち替えなければ、あの態勢からはフォックスを切れませんでした。
それを瞬時にやってなのけるなんて、サーシャ様も剣士として一流になったのだと感じました。
「う、うそだろ。この俺がこんな小娘に殺られるなん……て。」
フォックスはその場に倒れました。
おそらくあの深手では絶命しているでしょう。
そしてサーシャ様はそのままレジェスの元へ。
「立てる?」
サーシャ様は手をレジェスへと差し伸べて言いました。
その華奢な手をレジェスは掴み立ち上がり、
「全然余裕だ。」と、強がってみせました。
なにはともあれ、これでこの戦いは終わったみたいですね。
「人間――レジェスよ。」
レジェスを呼び止めたのはモルドスでした。
「最強はお前だった。これからは最強の男を名乗るがいい。」
「なっ!私は元から最強だ。貴様に譲ってもらったような言い方はやめろ!」
「ちょっと待って最強を名乗るのは私を倒してからにしなさいよ。」
そこにサーシャ様も参戦です。
「サーシャ、お前はこいつに負けたではないか。その男に私は勝ったのだから私こそが唯一無二の最強だ。」
「違うわよ、レジェス。あなたがモルドスを倒せたのは私が、あいつの力を削いでやったからでしょう!」
なんか不毛な戦いが始まっていますが、僕らは関わらないほうがよいでしょう。
「我はこれまで神に仕えていると言っていたが、あれは幻想なのだと悟った……いや、最初から分かっていたのかも知れぬ。」
突然、モルドスは語り始めました。
それを機にサーシャ様とレジェスも言い争いを止めました。
「ここにいるのは神などではない、亡霊だ。ここはフルガイアの民やテルミナに住まう者たちが最後に行き着く墓場なのだ。」
「な、なんだと!?ここはパンドラではないのか?」
ディミトリさんも驚きの声を上げました。
「正直なところ、何も分からん。ここがパンドラなのかも知れぬし違うのかも知れぬ。我は亡霊たちに憑かれていたのだろう。その証拠に今はこれまで感じたこともないほどに清々しい気分だ。憑き物がとれた、といったところだろう。」
そんな話を聞いていると、モルドスもアイスも思ったほど悪人ではないのかも知れません。
モルドスはゆっくりと立ち上がり、アイスの元へと歩きました。
「兄上――。」
「アイス、我が弟よ。我はここにとどまる。お前はその者たちと共にフルガイアへ戻れ。」
「ふっ、何を言われるかと思えば。何故、兄上を置いていけましょうか。私も共にここに残ります。」
「本当にそれでよいのか。」
「ええ、私は今、自分の気持ちに正直に答えている。私は残ります。ディミトリ……様。どうかお元気で。」
アイスはやはりディミトリさんを敵視することが辛かったのだと思います。
しかしそれは今、この一瞬に解放されました。
アイスにとっては最高の幕引きだったのかもしれませんね。
僕らは去っていくモルドスとアイスの後ろ姿を、ただ見守りました。
「よし、それでは我々も帰るとしようか。」
ディミトリさんの言葉で僕ら全員、頷きました。
「えっと……皆さんちょっといいですか。」
「なによ、ピート。トイレにでも行きたいの?」
まったくサーシャ様は年下のくせに子供扱いしないで欲しいです。
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