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第2章・第3騎士団と魔道師団
19,二重人格
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二重人格とは、自分の中に2つの人格がある事を言う。
でも、実際に見たのは初めてだ。動きが全く違う。
何て繊細で早いんだろう。無駄な動きが一切ない。
イスタ君は、ギリギリ防いでいる状態。フェイント攻撃について行けてない。
だけど、イスタ君の動きも驚く程だ。魔法攻撃もあるのに防いでいる。
だけど、終わりは必ず来るものだ。
「勝者 イスタ!」
第1試合でこの戦い振りに、観客達の熱気は上がる。
第2試合では、アレンさんが第4騎士団の人と戦い勝っていた。
「続いて、第3試合 ノエル・セレオレインVSレイラ・エバーガーデンだ!」
澄ました顔の彼は、鶯色の髪に桃色の瞳をした美少年だった。
私は剣を構えるが、相手は杖を持ってはいたが、構える事をしない。
恐らく、杖を構えなくても倒す事が可能なのだろう。
ライクス隊長の情報は、もう一つあった。彼と戦った者は、何も出来ずに終わると。
試合の合図がなる。私は走り出す。ノエル君は、杖を私へ向けた。
魔法は当たらなければ、意味がない。私はノエル君の周りを走る。
「グラビィティ」
ノエル君が唱える。
躱そうと思っていた。だから、スピードも上げた。
だが、いきなり身体が重くなり、膝をつく。これは重力の問題か?
重しが乗っているみたいで、動けない。私は風魔法を地面にぶつけた。
一瞬の隙から、距離を取る。もしも、今の攻撃が必ず当たるものだったら……。
対策を考えるべきだろう。精密な魔法操作と放出速度が非常に高い。
それを平然と出来る何て……。天才が努力すれば、勝つ事が出来ない。
ふざけるな!私は、今の年齢に比べて精神年齢が高いとされた。
幼い頃、家族は私を天才と呼んだ。だけど、天才な筈がないのだ。
生まれた時から、私の精神年齢は大人だった。スタート地点が違うのだ。
赤子が泣く筈の時期には、歩く練習や文字を見たりしていたのだから。
師匠の修行時にも生きて来られたのは、精神年齢が大人だったから。
幼くなくても、言っている説明は理解可能。練習も説明のまま行えた。
だけど、天才であれば、糸も容易く超えて来る。始まりは違うのに。
努力はし続けた。でも、結果は変わらず、師匠に認めて貰えなかった。
でも、今回は負ける訳にはいかない。もしも、私が受けた攻撃が、重力だとしたら……。
私の領域を真空状態にすれば、重力の攻撃は意味をなさない。
風魔法で膜を作り、膜の中にある空気の全てを無くす様にするのだ。
魔法はイメージをすれば、簡単に出来るものじゃない。
イメージをすれば、魔法が使えるなら、皆が強いのだから。
そう出来ないのは、魔法の原理にある。魔法の精密さと速く強くするには条件がある。
魔法の発動にあたり、放出する過程を正確にイメージすれば、精密さが向上。
複合魔法なら、精密さと素早さだけでなく、強度が増す。
魔法操作を正確に出来れば、強度が上がり魔力消費は低下する。
近づいて攻撃する為に、私は息を止めて風魔法を発動した。
私は避ける事はせず、前へ一直線に走る。
『ノエルの魔法は防げないよ。』
『結界魔法じゃムリムリ!』
何処からか声がした。
声が聞こえる方に視線を向けると、小さい人に羽が生えている。
ノエル君が契約している精霊なのだろう。
『ノエル、見つかったよ!』
『あの子、僕達が見えるみたい!』
その言葉に、目を見開き私を見るノエル君。
「グラビィティ」
重くなる魔法なのだろう。
だけど、今の私にその攻撃は効かない。臆する事なく前へ進む。
案の定と言うべきか、魔法は私に当たったものの、問題なく進める。
私は足を身体強化し、ノエル君の背後に素早く移動する。
魔導士で鉄則なのは、至近距離でも戦える様にする事だ。
でも、中には武道に不向きな人がいる。その人達は、何らかの罠を仕掛けている。
だけど、ノエル君は武道も強いとライクス隊長が言っていた。
罠を仕掛けている確率は低い。私がノエル君の攻撃を防ぐ事を予想していない筈だ。
でも、対策はしているだろう。つまり、背後に罠は仕掛けていない。
だけど、その分精霊達がいる。背後への警戒心は薄い筈なのだ。
私は精霊達の攻撃の範囲に気をつけて、ノエル君へと走る。
ノエル君へ攻撃が届く範囲だ。精霊達は迂闊に攻撃出来ない。
するとしたら、地面から。私は地面に防御結界を張り、風魔法を地面に放つ。
相手は精霊なのだ。攻撃威力は高いに決まってる。
なら、防御結界だけでは駄目なのだ。風魔法で威力を弱めて時間稼ぎだ。
一撃、攻撃出来たらいいのだから。私は剣を横へ振った。
しかし、ノエル君はギリギリで杖を使って受け止めた。
私は直ぐに距離を取る。地面から来る魔法攻撃を防ぐのが限界だから。
そう簡単には、勝たせてくれないよね。氷が地面から突き抜ける。
わー、あんなの一撃でも当たったら、怪我で済まなさそうだな……。
何て考えてる場合じゃない。次々と地面から突き抜けて来る氷の塊。
私は避けて回避するが、何か対策を考えないと……。
「お姉ちゃん!頑張って!」
弟と妹が応援してくれてる!
嬉しくて、緩みそうな頬を引き締める。私がやる気になっていたのはこれが原因。
何で、カイトさんが私の弟と妹の側にいるのよ!さっさと終わらせないと!
この時、レイラの目つきが変わった。その瞳には闘志が宿っていた。
普段のレイラからは想像が付かない程だ。だが、この状態になっても冷静さはある。
それも、いつもより頭の切れと判断力が上がるのだ。本人は気づいていないが。
彼は少し先の未来で知る事になる。レイラは怒らせてはいけない部類に入ると。
今とれる策は2つ。1つ目は、地を掛け魔法陣をセットする事だ。
とある魔法を放つ為に、セットした魔法陣を使って時間稼ぎと撹乱が目的だ。
とある魔法の発動条件を整えた後、魔法を放つ。
2つ目は、相手の攻撃を回避しつつ、もう一つの魔法を放つ事。
1つ目の策は、魔力消費の削減が可能。だが、デメリットもある。
私は2つの同時操作しか出来ないと言う事だ。複数操作が出来ない以上、防御が手薄。
そこを責められたら、ゲームオーバーとなってしまう。
2つ目の策では、魔力消費が激しく、一撃を逃せば反動で隙が出来る。
だが、当たれば確実に勝てるのだ。どちらも、デメリットが大きい。
でも、今とれる最善の策なのだ。私は覚悟を決めて、剣を構えた。
この一瞬が勝負!私は力強く地を踏み、全力で走った。
でも、実際に見たのは初めてだ。動きが全く違う。
何て繊細で早いんだろう。無駄な動きが一切ない。
イスタ君は、ギリギリ防いでいる状態。フェイント攻撃について行けてない。
だけど、イスタ君の動きも驚く程だ。魔法攻撃もあるのに防いでいる。
だけど、終わりは必ず来るものだ。
「勝者 イスタ!」
第1試合でこの戦い振りに、観客達の熱気は上がる。
第2試合では、アレンさんが第4騎士団の人と戦い勝っていた。
「続いて、第3試合 ノエル・セレオレインVSレイラ・エバーガーデンだ!」
澄ました顔の彼は、鶯色の髪に桃色の瞳をした美少年だった。
私は剣を構えるが、相手は杖を持ってはいたが、構える事をしない。
恐らく、杖を構えなくても倒す事が可能なのだろう。
ライクス隊長の情報は、もう一つあった。彼と戦った者は、何も出来ずに終わると。
試合の合図がなる。私は走り出す。ノエル君は、杖を私へ向けた。
魔法は当たらなければ、意味がない。私はノエル君の周りを走る。
「グラビィティ」
ノエル君が唱える。
躱そうと思っていた。だから、スピードも上げた。
だが、いきなり身体が重くなり、膝をつく。これは重力の問題か?
重しが乗っているみたいで、動けない。私は風魔法を地面にぶつけた。
一瞬の隙から、距離を取る。もしも、今の攻撃が必ず当たるものだったら……。
対策を考えるべきだろう。精密な魔法操作と放出速度が非常に高い。
それを平然と出来る何て……。天才が努力すれば、勝つ事が出来ない。
ふざけるな!私は、今の年齢に比べて精神年齢が高いとされた。
幼い頃、家族は私を天才と呼んだ。だけど、天才な筈がないのだ。
生まれた時から、私の精神年齢は大人だった。スタート地点が違うのだ。
赤子が泣く筈の時期には、歩く練習や文字を見たりしていたのだから。
師匠の修行時にも生きて来られたのは、精神年齢が大人だったから。
幼くなくても、言っている説明は理解可能。練習も説明のまま行えた。
だけど、天才であれば、糸も容易く超えて来る。始まりは違うのに。
努力はし続けた。でも、結果は変わらず、師匠に認めて貰えなかった。
でも、今回は負ける訳にはいかない。もしも、私が受けた攻撃が、重力だとしたら……。
私の領域を真空状態にすれば、重力の攻撃は意味をなさない。
風魔法で膜を作り、膜の中にある空気の全てを無くす様にするのだ。
魔法はイメージをすれば、簡単に出来るものじゃない。
イメージをすれば、魔法が使えるなら、皆が強いのだから。
そう出来ないのは、魔法の原理にある。魔法の精密さと速く強くするには条件がある。
魔法の発動にあたり、放出する過程を正確にイメージすれば、精密さが向上。
複合魔法なら、精密さと素早さだけでなく、強度が増す。
魔法操作を正確に出来れば、強度が上がり魔力消費は低下する。
近づいて攻撃する為に、私は息を止めて風魔法を発動した。
私は避ける事はせず、前へ一直線に走る。
『ノエルの魔法は防げないよ。』
『結界魔法じゃムリムリ!』
何処からか声がした。
声が聞こえる方に視線を向けると、小さい人に羽が生えている。
ノエル君が契約している精霊なのだろう。
『ノエル、見つかったよ!』
『あの子、僕達が見えるみたい!』
その言葉に、目を見開き私を見るノエル君。
「グラビィティ」
重くなる魔法なのだろう。
だけど、今の私にその攻撃は効かない。臆する事なく前へ進む。
案の定と言うべきか、魔法は私に当たったものの、問題なく進める。
私は足を身体強化し、ノエル君の背後に素早く移動する。
魔導士で鉄則なのは、至近距離でも戦える様にする事だ。
でも、中には武道に不向きな人がいる。その人達は、何らかの罠を仕掛けている。
だけど、ノエル君は武道も強いとライクス隊長が言っていた。
罠を仕掛けている確率は低い。私がノエル君の攻撃を防ぐ事を予想していない筈だ。
でも、対策はしているだろう。つまり、背後に罠は仕掛けていない。
だけど、その分精霊達がいる。背後への警戒心は薄い筈なのだ。
私は精霊達の攻撃の範囲に気をつけて、ノエル君へと走る。
ノエル君へ攻撃が届く範囲だ。精霊達は迂闊に攻撃出来ない。
するとしたら、地面から。私は地面に防御結界を張り、風魔法を地面に放つ。
相手は精霊なのだ。攻撃威力は高いに決まってる。
なら、防御結界だけでは駄目なのだ。風魔法で威力を弱めて時間稼ぎだ。
一撃、攻撃出来たらいいのだから。私は剣を横へ振った。
しかし、ノエル君はギリギリで杖を使って受け止めた。
私は直ぐに距離を取る。地面から来る魔法攻撃を防ぐのが限界だから。
そう簡単には、勝たせてくれないよね。氷が地面から突き抜ける。
わー、あんなの一撃でも当たったら、怪我で済まなさそうだな……。
何て考えてる場合じゃない。次々と地面から突き抜けて来る氷の塊。
私は避けて回避するが、何か対策を考えないと……。
「お姉ちゃん!頑張って!」
弟と妹が応援してくれてる!
嬉しくて、緩みそうな頬を引き締める。私がやる気になっていたのはこれが原因。
何で、カイトさんが私の弟と妹の側にいるのよ!さっさと終わらせないと!
この時、レイラの目つきが変わった。その瞳には闘志が宿っていた。
普段のレイラからは想像が付かない程だ。だが、この状態になっても冷静さはある。
それも、いつもより頭の切れと判断力が上がるのだ。本人は気づいていないが。
彼は少し先の未来で知る事になる。レイラは怒らせてはいけない部類に入ると。
今とれる策は2つ。1つ目は、地を掛け魔法陣をセットする事だ。
とある魔法を放つ為に、セットした魔法陣を使って時間稼ぎと撹乱が目的だ。
とある魔法の発動条件を整えた後、魔法を放つ。
2つ目は、相手の攻撃を回避しつつ、もう一つの魔法を放つ事。
1つ目の策は、魔力消費の削減が可能。だが、デメリットもある。
私は2つの同時操作しか出来ないと言う事だ。複数操作が出来ない以上、防御が手薄。
そこを責められたら、ゲームオーバーとなってしまう。
2つ目の策では、魔力消費が激しく、一撃を逃せば反動で隙が出来る。
だが、当たれば確実に勝てるのだ。どちらも、デメリットが大きい。
でも、今とれる最善の策なのだ。私は覚悟を決めて、剣を構えた。
この一瞬が勝負!私は力強く地を踏み、全力で走った。
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