モブ令嬢は白旗など掲げない

セイラ

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秘密の温室

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次の日の朝、私は4歳の誕生日に母親から譲り受けた温室に来ている。

私が記憶を取り戻す前にもらっていたのだが、以前の私は興味がなく、放ったらかしだった。

なので今日、魔法を使って温室を変える事にした。この温室を秘密基地&身を隠す場所にするのだ。

まずは、ここに誰も入れない様にしたい!そう考えた私は結界魔法を使う事にしたのだ。

だけど、常時魔法を使うのは不可能。なので魔道具に結界魔法を付与する事に決めた。

私は付与魔法の練習を、魔法の練習をし始めた時期から練習していたのだ。

だから、今の私は付与魔法を使えるのだ。この事は前から計画していた。

設計の見取り図通りに出来れば完璧である。私は汚れても大丈夫な様に、シャツとズボンだ。

この温室は円形型なので、植物を植える花壇も円形型にそった作りだ。

その間に溝を作る。ここに水を流して、植物に水を与えるつもりだ。

勿論、常時水を流し続けると植物が、ダメになってしまうので、魔道具で何とかする。

私が作った魔道具は、水と時の魔法を付与しているので、設定した時間に水が流れる仕組みだ。

土も肥料を混ぜたものに変え、後は植えるだけなのだが、これが問題である。

本を調べあげ、情報をもとに植物の配置と環境を整えなければならないのだ。

まあ、その作業は終了しているから、見取り図通りにすれば問題ないけどね。

私は花以外に薬草・果物・茶葉を花壇に植えるのだ。

動物達もお手伝いをしてくれた。どうしてか分からないが、記憶を取り戻してから動物達と仲良くなった。

一つ一つ丁寧にしていたら昼食の時間になっていた。

私はシェフにお願いした、サンドイッチの弁当と紅茶を飲み、動物達と仲良く食べる。

食べ終わり作業を開始する。

全ての苗を植え終わり、後は中心にテラスを作る事。

勿論、円形型だ。周りも白い花壇に白い地面なのでテラスも白い石を使う。

白い石を円形型状にして、周りを見れる様に1m 30㎝まで積み上げた。

横に柱を立て、半円球の屋根にした。半円球の中は空洞で30㎝は上がりやすい様に階段にした。

30㎝程高く設計しているので、丁度いいだろう。白いテーブルに白いイスを置く。

柱や屋根にツルをからませれば、森の中にいる様で美しい光景になった。完璧!

後は、入れない様に結界魔法の魔道具を発動させた。

この結界魔法は、私の持つ属性の全てと特性の回復と時空も備わっているので、破るのは難しい。

全属性を持った者か、私よりも魔力も威力も強くないと無理やり入れない。

少し細工もしているから、解くのも難しいのだ。それ以前に魔道具は温室の中だしね。

これでよし!色々取り付けるなら、また今度だね。

私は部屋に戻ろうとしたが、助けを求める声に足を止めた。

温室の扉を閉めて、声の聞こえる方へ走った。屋敷の木々が多い場所に傷だらけで泥だらけの犬がいた。

その子は私が近づいても威嚇はしなかった。動物達もこの子に警戒はしていない。

傷口は酷く、衰弱している。メイド達を呼んでいる暇はない。

回復魔法はまだ練習をしていない。兎に角、治って欲しいと願い、魔力を込める。

すると、ワンちゃんの身体が光り傷口がみるみる消えていく。

水魔法と風魔法で、ワンちゃんの身体を綺麗にすると同時にワンちゃんが目覚めた。

『ありがとう。おかげで助かった!』
元気な男の子の声が聞こえて・・・聞こえた!?

「今のは君が喋ったの?」
『うん!』

「ワンちゃんは何処から来たのかな?」
『僕は犬じゃないよ!フェンリルだよ!』

フェンリルって伝説級じゃないか!
「どうしてここに?」

『家から飛び出して遊んでたら、大怪我しちゃったんだ。もう駄目かと思った。』

「災難だったね。これにこりたら、無茶しちゃダメだよ。お家はどの辺かな?」

『大丈夫!今父さんと母さんに連絡して、無事な事と助けてもらった事を伝えたんだ!』

「そうなんだ。なら、近くまで送るよ!」
『大丈夫だよ。今こっちに向かってるから!』

本気で言ってるのかな?フェンリルが来る?騒ぎになるんじゃ?

『そなたが我が子を助けた者か?』
時既に遅し、フェンリルが2匹私の目の前にいた。

『そうだよ。父さん』
『そうか。感謝する。』
『ありがとう』

「いえ、お気になやらず、無事で何よりです。」
『そなたと話がしたいが構わんか?』

「なら、温室へどうぞ。」
『うむ。』

私はフェンリル家族を温室に招いた。結界魔法で入れないが私が付いていれば入れる。

『良いところだな。』
『ええ、落ち着きます。』

「それは良かったです。」
何故か私の膝の上には、助けた子がいる。

『今回は本当にありがとう。何か礼をしたい。』

「大丈夫ですよ。」
『そなたは欲がないな。』

「私はセシリア・メルファーナと申します。お名前をお聞きしてもよろしいですか?」

『我等に名はない。』
『ねぇ!僕と契約してよ!』

「契約、ですか?」
『うん!僕は君が大好きだよ!だから、そばにいて守るよ!』

可愛い!と言うか、もふもふ凄い!
『確かにな。人の子よ、我が息子をよろしく頼む。』

「契約はどうすればいいのですか?」
『名前をつけて!』

銀の毛に黄金の瞳をしたフェンリル。
「貴方の名前はコハク。」

『コハク・・・素敵な名前!よろしく。セシリア!』
「よろしくね。コハク」

すると私とコハクに魔法陣が現れた。その中心に浮かび上がるのは花の形をしている。

『これで、契約が終了した。』
「素敵ですね。」

消えた魔法陣を名残惜しく思い、言葉にする。
『それは、そなたが愛し子だからだろう。』

「愛し子?」
『いずれ知る時が来る。』

よく分からないが、知る時が来るなら別にいいや。
『さらばだ!』
『セシリアさん、息子をよろしく。』

2匹のフェンリルに魔法陣が現れ、少しづつ消えていく。

『セシリア、もし力を借りたくば願うが良い。その時は全力でソナタを助けよう。』

その言葉を残して、消えていった。
「改めてよろしくね。」
『うん!』

「そう言えば、コハクの事どう説明しよう。」
『それなら、シルバーウルフと契約したとかどう?』

「そうしよう!」
『後、僕の声は人族に聞こえないから。』

「なら、私が聞こえたのはどうして?」
『愛し子だからだと思う。』

「その愛し子って何?」
『僕も詳しい事は知らないんだ』
「そっか」

親に説明し、コハクと暮らせる様になった。



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