モブ令嬢は白旗など掲げない

セイラ

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学園編(初等部)

模擬戦

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次の日の朝、ドレスではなく数週間前から仕立てた服を着る事にした。

私は青いスカートに水色のシャツ、黒いネクタイに黒の革手袋。白いブレザーを着ている。

やはり、学校に通うからには制服が落ち着く。それにドレスより動きやすいしね。

今日は模擬戦がある。勿論、負けるつもりはない。
『楽しみだね。』
「うん。」

私は今まで、生きる為に足掻いて来た。誰にも負けるつもりはない。

「コハク、よろしくね。」
『任せて!』

私は学園へ向かい教室に入る。昨日と同じ席につき本を読む。隣にはコハクもいる。

入学式では駄目だが、従魔といても注意されない。先生が来たので皆席につく。

「全員。今から動きやすい服を着て、広場に集合だ」

先生の言葉に皆が動く。私も広場に向かうその途中で女の子がこけていた。

私は女の子に近づき、手を差し出す。
「大丈夫ですか?」

「すいません!」
女の子は私の手を取り、立ち上がる。

赤みの橙色の瞳に、紅茶色の髪をした美少女だった。
「助けてくれて、ありがとうございます。」

オドオドとした女の子は頭を下げて来た。
「構いませんよ。お気をつけて」

私とコハクは広場へ足を向けると、女の子は言った。
「広場まで一緒に行きませしぇんか!」

噛んだ事に気づいた女の子は、顔を真っ赤にする。
「私の名は、セシリア・メルファーナと申します。」

「アイラ・マーチェスと言います!」
「広場までいきましょう。」
「ひゃい!」

広場には皆が集まっている。先生達と先輩達が並び1人の先生が前に出た。

ここはアニメに出て来る競技場に似ている。観客席まである。

皆は前に出た先生に注目する。
「これより、模擬戦を開始する。全力を出し切ってくれ!」

私は聞きたい。何故に私達の騎士科以外の生徒が観客席にいるのかを。

授業中ではないのか?この時、騎士科以外の生徒達は学園を見て回る時間だった。

つまりは学園にある部活や教室を、見学しに行っていたのだった。

1年組の騎士科達は次々と倒されていく。レオンとカインは褒められていた。

アイラは緊張で震えが止まらないみたい。でも構えと動きは凄いとしか言えない。

アイラは辺境伯爵家の長女だったのだ。剣術は見事らしいが緊張で台無しになるらしい。

「お疲れ様です。」
「ありがとうございます。セシリア様!」

「セシリア嬢。君はリベルと相手をしてもらう。呼ばれたら来なさい。」

先生が指を指した方向は、白銀の髪にリビアングラスの瞳をした美少年が戦っている。

「頑張ってください!彼はリベル・アーネハイム。公爵家の長男で、初等部の3年生です。」

何か聞いた事あるな。乙女ゲームに出てた気がする。

そうだ!リベル・アーネハイムって確か、レオンルートのサポートキャラだ。

「彼の実力は凄いそうです。初等部の3年ですが、中等部の上位に入るかもしれないと噂で聞きました。」

そんな人物がどうして模擬戦をしてるんだ?

そう言えばレオンと仲良くなったのは初等部の時じゃなかったかな。

さっき戦ってたし。それに高等部の時にリベルはさらに強くなっていた筈だ。

レオンの良きライバルキャラだった気がする。
「ありがとうございます。アイラさん。」

「いえ!頑張ってください。応援しています。」
「ふふふ。頑張って来ます。」

リベルが戦っている時の女子生徒の黄色い歓声が凄い。レオンとカインも同じくだ。

「セシリア嬢。」
呼ばれたので向かう。リベルは私を興味なさげに見る。

「レオン君とカイン君が褒めていましたよ。」
確かに騎士科の女子生徒は少ない。

この人物と戦うに至った元凶はレオンとカインか。
「そうですか。」

「面白いですね。でも、手加減してあげます。」

凄い自信だな。でも、初めて見て私を強いと認識した人にあった事ないんだよね。

私とリベルは刃の潰れた剣を構える。審判の合図にリベルは直ぐに距離を詰めた。

私は背中を逸らし、リベルの横に払った剣を躱す。直ぐにバク転をして距離を開ける。

身体強化を使ったのだろう。先輩達の中にも身体強化を使っていた人がいた。

レオンとカインも同じくだ。距離を開けたが、すぐに距離を詰めて来る。

私は右足を引き、突きの攻撃をリベルへ向ける。しかしリベルは横に攻撃を避けた。

そのまま私に攻撃する。しかし私はリベルの右側へステップを踏み避けた。

そのまま距離を取る。ランスが主撃を受けた1年前の暗殺者の足捌きを真似したステップだ。

暗殺者は足をステップの様な足捌きをして、攻撃を読まれない様にしていた。

私も練習したが、見様見真似なので半分がオリジナルである。

リベルは身体強化で一気に距離を詰めて来た。一撃を振り下ろされる。

私は避ける事なく受け止めた。
「!?ーー驚いた。まさか受け止められるとは」

「これは嬉しき誤算です。本気でも大丈夫そうですね。」

今の一撃でも重いのに、これ以上強くなるの。私は下唇を噛んだ。

悪いけど、こんな所で負ける訳にはいかないのよ!

私は剣のつばを相手の刃に引っ掛け弾く。身体強化を使って相手に攻撃する。

リベルもまた私の攻撃を受け止めた。そこから剣を晒して私へ一撃が来る。

私は回転をして回転の反動を利用し、リベルに攻撃する。

私の攻撃とリベルの攻撃がぶつかる。両者とも、一歩も引かない。

「時間切れだ。」
審判の言葉に剣を下ろす。

そう言えば時間制限がある事、忘れてたな。
「リベル対セシリアの試合は引き分けだ。」

ーー周りに拍手が巻き起こる。

「セシリア嬢。君との試合、とても楽しかったです。ありがとうございました。」

「こちらこそ、ありがとうございました。」
「また、試合をしましょう。次は勝ちます。」

私はリベルと握手をかわした。

《リベル視点》
私は公爵家の長男でリベル・アーネハイム。今日は1年生の模擬戦があります。

その時、レオン君とカイン君と勝負をしました。2人は強くとても楽しかったです。

しかし、2人はもう1人強い子がいるといいました。

この2人が強いと言う人物に興味を持ち、先生にお願いしてセシリア嬢の相手を頼みました。

セシリア嬢は、綺麗な少女でした。私を見て頬を染める事なく、剣を構えいました。

女の子達は私が微笑めば、頬を染めるのですがね。

華奢な体格でとても強いとは思えなかったのですが、戦ってみると強かったのです。

セシリア嬢の動きは、まるで舞っている様で思わず見惚れました。

私は楽しくなり、本気を出していました。しかし時間切れが来てしまいました。

私は悔しく、またもう一度戦いたいと心から思いました。

《セシリア視点》
私はコハクのもとにいった。
〈セシー、お疲れ!〉

〈ありがとう。・・・悔しい。必ず次は勝つ。〉
〈セシー、僕も強くなるよ!〉



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