モブ令嬢は白旗など掲げない

セイラ

文字の大きさ
20 / 42
学園編(初等部)

試合で怒る

しおりを挟む
真正面からでは、身体強化を使えても勝算は低い。

身長差と体格差があるからだ。だけど、小柄な体格は小柄ながらに戦う術がある。

エリク先生の戦い方は本能と理性で動いている。理性で戦う中で、時に本能で攻撃をしたり躱す。

時に鋭すぎる本能は逆効果になる事もあるのだから。右手に持つ槍を回して身体強化を施し走る。

右手と左手で槍を持ち、左側の地面に矛先を向けてエリク先生に下から上へ槍を振り上げた。

しかし、エリク先生の槍が横に払ったので、私は尽かさず槍を地に刺した。

槍を利用して、身体を空中へ逃す。地に刺さった私の槍は、エリク先生の攻撃を止めた。

エリク先生は止められてから、上へ振り上げた。私は槍の上にいたので、このままでは当たってしまう。

足を槍の大刀打ちの部分に乗り、地面に刺さった槍を抜き下から上に振り払った。

だけどエリク先生は、私の攻撃を避けて私が乗っていた槍をそのまま振り上げた。

私はバランスを崩し空中へ、エリク先生はその私に槍を上から下へ振り下ろす。

空中にいる私は勿論、逃げる事は出来ないだろう。だけど、手には槍を持っている。

振り下ろされたエリク先生の槍に、私はタイミングを合わせ槍を横へ払う。

振り下ろされた槍と、横に払われた槍はぶつかる。振り下ろされた槍の攻撃が少しそれた。

数秒も攻撃を止める事が出来た私は、口金の部分に槍を引っかけ、エリク先生の槍の上へ。

身体強化をしている私は、ほんの数秒あれば攻撃を避ける事が出来る。

エリク先生の槍を槍で地面に叩きつけ、私はすぐに後方へ下がった。

エリク先生の口角が上がった時、直感で下がったが正しかったらしい。

「エリク先生!?そこまでですよ!」
「面白くなりそうなんだ!止めるな!」

他の先生達がエリク先生を止める。エリク先生達が口論した時、エリク先生の頭に鉄拳を落とした人物。

「やかましい!これは試合じゃない、授業だ。馬鹿者め!!」

赤茶髪に蒼い瞳をした美女がいた。この人も先生で女子生徒にも人気の先生だ。

名をアピス・グナフィート。そう、バゼルのお姉さんである。

「アピス先生、いてぇよ!?」
「貴様は鉄拳を落とさんと聞かんだろう。」

文句を言うエリク先生を、アピス先生が鉄拳で黙らせた。

「ご苦労。先程の動き、見事だった。」
「ありがとうございます。」

その後は槍の訓練だった。訓練を終えれば、また授業である。

《アピス視点》
私の名はアピス・グナフィート。ホープリシア学園の騎士科の教師をしている。

今年の1年生も、面白い子達がいる。

レオン・グランテスカとカイン・バルファトラやアイラ・マーチェスも注目している。

しかし、リベル・アーネハイムと戦ったセシリア・メルファーナ。

彼女の戦いは見ていなかったが、とても凄かったらしい。私は興味を持った。

そして今回の授業は楽しみだった。実際、エリクとの戦いを見て、驚いたのだ。

槍を躱す身のこなし・機転の速さ。エリクも心なしか楽しそうだ。

エリクが口角を上げた時、セシリアは下がったのは正しい判断だった。

あのまま攻撃していては、確実に一撃をもらっていたからだ。

私は試合の様に楽しむエリクに、鉄拳を落とし静かにさせた。

セシリア・メルファーナ。私は彼女の成長が楽しみと感じた。


《セシリア視点》
放課後になればガーディアンズの活動なのだ。
「お疲れ様、少し休もうか!」

アシンの言葉に皆は作業を辞めて、紅茶を飲む。
「部活動の事は、あらかた片付いて来たね。」

「そうですね。後、4日は必要ですが。」
「それじゃあ、ガーディアンズのメンバーで親睦を深める事、しない?」

「何をするおつもりですか?」
「エジス、そんなの僕が決めてると思う?」

「思わないですね。」
「事実だけど、失礼だね!」

リベルが輝く微笑みを浮かべ、アシンに言う。
「それなら、キングVS私達で試合をしましょう。」

「何で僕、1人なの!?」
「日頃の行いですよ。」

「つまり、ストレス発散する気だね!」
「いいえ、思う存分楽しんで親睦を深めるんです。」

「それは君達だけだよ!・・・セシリア!皆が冷たいよ!」

「私に言わないで下さい。キングさんは今まで人に迷惑をかけ、人をからかって来たのです。頑張って下さい。」

「そんな応援いらない!?」
「まあまあ、落ち着いて。この際、鬼ごっこはどうかな?」

「流石、殿下!」
「鬼はアシンで。」

「酷い!」
「僕は忘れていないよ?あの時の事。」

「シスイ様、殺気がだだ漏れです。」
「ごめんよ。思い出したら自然と。」

「ご安心ください。エジスと私も同じ気持ちです。」

「そこの、セシリア以外の3人!勝手に共闘しないでよ!」

4人がうるさい間に、私は作業を開始する。結局、親睦を深める為に試合が行われる事になった。

私は審判でいいかな。そんな事を思ったのだった。


ーーそして、現在では放課後で、訓練場にて試合を行っている。

昨日、話していた試合を昨日の内に、訓練場を借りたのだそう。

あの話は本当だったらしい。私は何をしてるか?

そんなのコハクをもふもふして、本を読んでいるに決まっている。

最初は真面目に審判をしてたんだけど、途中からルール無視の真剣勝負になったんだ。

駄目だと言ってるのに聞きやしない。なら、ほっとくしかないもの。

人様に迷惑をかけようものなら、魔法を放つだけなんだけど。

そう、人様に迷惑を・・・ドオーン。
「・・・」

『セシー、落ち着いて・・・』
〈コハクは下がってて。〉

私は立ち上がりまだ勝負をしている4人に向き直る。

何があったか?私の所に攻撃が飛んできた。それは結界で防いでんだけど、折角のお菓子と紅茶を台無しにされたのだ。

食べ物の恨みは凄いんだよ?覚悟しろ!そんな意味を込めて。

風魔法で空気を圧縮させ、衝撃波を生む魔法。
「衝撃波」

私はそれを4人に放った。
「「「「うっ!?」」」」

「キングさん方。私が止めても無視をして、攻撃を続けていましたね。」

「「「「はい・・・」」」」
私の目の前には整列している4人。

で仲良く、ここの修復作業を行なって下さいね。」

「嘘!?」
「何を驚いてるんですか?当たり前ですよ。」

今回の部活動の件で、予算を整えるのが大変なのだ。支給されたお金を調整している。

そんな時に、意味の分からない試合で壊れた物をなおす費用を調整するのは、時間がかかる。

かと言って、このままにしておけば、次の人や授業に困るのだ。

だから、4人で仲良く直して貰おう。
「分かりましたか?」

事細かに説明すると、誰も何も言わないのでよし。
「でも・・・」

「キングさん。直して頂けますね?」
アシンが何かを言う前に笑顔(冷気)で問う。

「はい!」
こうして、4人は30分で修復させたのだった。

え?私も魔法を放ったって?周りに被害が出ない魔法なので、大丈夫だよ。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

処理中です...