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第一章 幼少期

涙の理由

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そのあとゲルフィンさんは、このまま部屋にずっといるのも危険だろうと部屋を出て廊下を歩いていた。
廊下には多少の戦闘あとがあるようだったけど、屋敷に働いている人達は何事もなかったかのように仕事をしている姿がある。

変に落ち着いているのね?

ゲルフィンさんは私がキョロキョロしているのに気づいたようで、グライハイム様の指示と人選の賜物であることや、ケインって執事さんの動きによるものなんだって教えてくれた。

ケインさんってグライハイムの側近執事だったっけ。

ところでずっと歩いているけど、何処行くんだろ?

そしてなぜにまだ抱っこされているのだろうか?

「えっと下ろしくれて良いよ、私歩くし。」
「........すみません却下で、あなた様は倒れてから1週間目覚めることもなく、魔力暴走が落ち着いてきてる最中。身体の筋力も落ちているので、このまま連れて行きます。」

一週間もだったのかい!
ってきり期間的にも、そこまでとは....私がこの身体に入ってアルセイヌの魂が寝ちゃった反動だったってことになるのかな?

実際アルセイヌの魂って何処に?

そう考えた矢先に、まるでそのことを考えさせないようにかゲルフィンさんがつきましたよと話しかけられた。

ノックを3回するとカチャリとドアノブが開けられて、出てきたのはライナリアで心配そうな表情をがある。

「アル!! 無事だったのね! 良かった!!」

パアーとすぐに私に気づいたライナリアは、凄くホッとしている姿に妹のこと大事にしているところが不謹慎にも萌えますと心のなかったで小さくガッツポーズをとっておいた。

部屋に案内されて入るとめっちゃ女の子の部屋って感じとライナリアの可愛いらしさを存分に出した部屋ザ・ファンシーさがあって可愛い。

ゲルフィンさんは私を近くの椅子に下ろそうとしたけど、ライナリアがベッドを指定してくる。
しばし互いに睨み合うように見えたけれど、すぐに私をベッドへと座らせくれた。

「ありがとう。」

お礼を言うとゲルフィンさんとライナリアが何故か驚いていた。何故に驚くねん!

「少し前は人見知りだったのに、珍しいわね。」
「子供は成長して行くのかと思われます。」
「そう...なのかな? アルって、そうそうに人見知り治らないと思ってたのに、でも....もしかしたら狙われた恐怖がてんぱって感情が追いついてない気もする。ゲルフィン様今日はアルを私の部屋へと案内してくださりありがとうございます。このあとは姉妹でお話しをしたいのですが大丈夫かしら?」

ライナリアは子供のなりには、しっかりしてるようでゲルフィンさんにニッコリと微笑んでの発言に対し。

「外で護衛させてもらいますがよろしいですね。」
「お父様からアルの護衛頼まれてるのね、わかったわ。ただし聞き耳立てて、ここでの内容まで話さないように。」
「御意。」

一礼してからゲルフィンさんは出て行く。
するとライナリアは私の横に座るとぎゅっと抱きしめて。

「良かった、護衛に聞いたらアルのとこに奇襲があったって聞いて驚いたんだから。......ほら、やっぱり身体が震えてる、怖かったよね、よしよし。」

少し離れて私の頭を撫でられてた瞬間、さっきまで感じてなかった恐怖と震えが止まらなくなって頬から涙が溢れ落ちていた。

恐怖を感じてなかったんじゃなく、怖かったんだ。
敵の奇襲と狙われる恐怖、心配させたくないから心を殺す。
お姉ちゃんにも心配させたくないけど、唯一無二にライナリアにはバレる。
だから暴れて感情が出てしまう。

「こわ....怖かった、なんで私が!」
「うん、アルは私が守ってあげる。絶対に!」

またぎゅっと抱きしめて言われた優しい言葉に止めどなく泣いてしまった。

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