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第一章 幼少期

不知火の青との出会い1

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私は今日は天気が良い晴天の中、子犬の紫苑と一瞬にお庭でお散歩している。
フェンリルの子に名前はと最初つけてなかったんだよね。
でもね何故かゲルフェンさんもエリカさんも一時の世話では親も見つからないと、まるでわかっているような口振りに困惑したのは言うまでもなく。

へたしたらに真名を私がつけてはと抗議してみるも、私がつけてあげるのが正解だと頑なに言われて、渋々了承しておいた。

名前かあー。きゅうに言われてもーと思う。
白い毛玉のように小さくて狼のようなフォルム。
ん? 目の前でちょっとカッコ良く見せようとしてる?

ちょろちょろと私に見せて落ち着かなず、チラッと私を見てはキリッとした姿を見せてくる。

可愛い、可愛いんだけど。

変な名前だとシュンって落ち込みそうだし、よーく考えないとだね。

ふと前世で見た異世界漫画でフェンリルの大きな姿を思い出し、紫苑の花のように大きく立派になる希望を込め。

「紫苑ってどうかな?」
「ワン!!」

おおーー元気にお返事してくれたよ。
よしよしと撫でてあげると顔をすり寄せてくれる。

「可愛いなあー紫苑って名前気に入ってくれたみたい。」

ゲルフェンさんとエリカさんに嬉しくて報告する。
すると二人とも微笑ましげにみてくるんだけど、あっ! もしかして紫苑の喜んでいる姿に癒されたのかも、きっとそうだよ!

うんうん、この喜んだ反応可愛いもんねー。

ふふとニマニマしてるなか、散歩してはと提案され思い出す。ワンコって適度の運動が必要なんだっけ。
お世話絵本に書かれた内容を思い出し頷き、紫苑に近づきしゃがむ。

まだ従魔契約はしていないけど、へたに外に出ることがあった時に困るだろうとゲルフェンさんから首輪を貰っておいたのだ。
それを踏まえて紫苑に付けてあげたあとお庭にて散歩を実行することにしたのである。

「よーし紫苑! 取っておいで!!」

丸いボールを投げてみるが、紫苑の反応が乏しい。
うーむ、ボール遊び嫌いなのかな?

「お嬢様シオンは遊びかたを知らないのではないでしょうか? 戸惑いある目で首傾げてますし。」

エリカさんの言葉でまさかと思う。
犬なら魔物とか狩ったりするもんだし、反応示さないってことはと思ったものの、小さいし...親から教育でまだ習ってないのかもと思案した。

ならば色々楽しませてあげないといけませんね!
私の頭には前世で構築された犬への遊びを凌駕するほどの知識があるんだけど!

まずは紫苑に丁寧なやり方を教えつつ、一個一個としてゆけば。紫苑は飲み込みが早いのか好奇心で次々とマスターしていった。

それからは私と紫苑の遊びは時間を忘れるほどに熱戦する。
互いに体力が尽きるまで遊んだもんだから、何故かはあはあと息切れをおこす。

途中から観れば何があってそうなったと思うだろう。
ただの遊びにと。

だが、しかし!
遊びは根気との戦いなんだぞ!
子供の身体の体力はあるが頭の精神はねえー。

ゲルフェンさんとエリカさんは少々心配そうに見てるけど、私と紫苑は満足して仲良し率は上がったのかもしれない。

互いに横に倒れて紫苑を撫でてあげるとクーンと小さく鳴き顔を舐めてくる。
可愛いなあーー。

ふああーと口から漏れる欠伸に眠気が襲う。クシクシと目を擦って眠気を我慢していれば急に身体が浮いて驚く。

何事と視線を上に向ける。
するとそこにはゲルフィンさんがいて、横にはエリカさんがいる。

そして私の体勢はお姫様抱っこ。

ふむ、抱っこされるのは少々恥ずかしいのですがと思うけど。小さい子供なので気にしないでおく。

「アルセイヌお嬢様、部屋行って寝ましょうか?」
「うーーまだ.....遊びたいんだけど.......眠い...。」

ぐぬー紫苑ともっと遊んでいたのに眠気が襲うーー!!
上の瞼と下の瞼が仲良くなって重い。

「ふふ、お嬢様ってば、意外にも子供らしさがあるんですね。」
「ふぇ?...子供らしいよ、私。」
「違うんです、いままでのお嬢様ならこんなに。」

エリカさんがそこまで言ったとき、紫苑がピョーンと私上に乗っかって飛んできた。

「シオンはアルセイヌお嬢様のこと余程気に入ってますね。」
「ん? え...おおーー! そうなんだ。可愛いなあ紫苑。」

なでなでしてるとほんのりと暖かい紫苑の温もりで眠気に止めるわさされたのであった。
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