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第一章 幼少期

出会いと黒い闇2

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鋭い痛みが走って振り払いたいのに絶対に離さないとでもいうかの態度をとるヒロインに何でと思ったとき。

ヒロインが笑顔で私を見るも、口角がニタリとしてるように見えて気味が悪い、なんなの?

「君、嫌がってるじゃないか! いい加減離してあげてはどうだろうか?」

ヒロインの肩を掴み諭す声に誰と見れば、攻略対象者のリュクスがいた。まさかの攻略対象者の邂逅に動揺するも痛みで考える余裕なんてなくて、ヒロインと言い合いをしているようだった。

「はあー? 嫌がってるわけないわよね! ただお友達になろうとしているだけよ、変な因縁つけないでくれない!」
「.......なら、彼女の苦痛な表情はどう説明するきだい。」
「あーはいはい離すわよ! あと少しだったのに!」
「何があと少しなんだ?」
「別にどうでも良いでしょ、離したんだから文句言われる筋合いないよね。」

ヒロインがすっごく面倒そうに呟いたとき、司祭様に呼ばれたようで元気に返事をし駆けていく。

「妙な奴だな。ところで大丈夫か?」
「え?.....なんとか、ただ腕が痛いぐらいだし大丈夫です。」
「......ちょっと見せてみろ。」

リュクスが私の腕をゆっくり触り労わるような素振りに、ちょっと照れつつリュクスを見る。
未来の成長しているリュクスを知っている私からすれば、幼いながらも切れ長な目元にアイスブルーの瞳、赤い髪は炎のように赤く、整った表情はきっと女性を虜にできるほどの美少年であると確信できる。

きっとモテるね。

などと私を心配してくれてる相手にトンチンカンな考えを巡らせてると、リュクスは少し考えてたようで腕輪に触れる。

すると電気が走る感覚に思考が戻った。

「すまない、大丈夫か?」
「うん。」
「なあーこの腕輪、このまま嵌めてると危険だと思うぞ。」
「え? でも、これは...。」

これはお父様から貰った腕輪だからと言おうとした時だった。強烈な光が周囲を照らし出し注目が中央へと注がれた先にはヒロインの女の子が恩恵をもらっている瞬間だった。

「おおーーーーこれはまごうことなき光の属性です! 称号は【聖女】光の巫女と言えるものです! おめでとう!!」
「えへへ、ありがとうございます。ですが、まだ教会には所属するきはないので悪しからず。」
「なんと! ですが、この属性は貴重であり国宝級です。御身のことや色々と学ぶこともあるのですよ!」
「......それって修行的に大きくなってからでも良いんだよね!」
「まあ...確かに。」
「それに私、まだすることあるの。色々と!」
「ふむ、困ったお嬢さんだ。ですが必ず年齢が来たらお迎えしますからね。」
「はーい了解です!」

気楽な返事をするヒロインの態度に周囲からは微妙な反応をするものや、聖女の誕生に喜びと尊敬を向けるものなど。
さまざまざな反応を見せている。

リュクスは何処か怪訝そうだった。

「.....どうかしたの?」
「いや、なんでもない。まあ話し戻すけど腕輪気をつけてな。」
「うん。」

素直に頷くとリュクスは自分も呼ばれたからと離れていった。

「あははーまさかのヒロインと攻略対象者と邂逅しちゃうとはねえ。ってか私も気を緩み過ぎている気がする、ここは重要な戦地だ、アルセイヌの運命の。」

ん? アルセイヌの運命?

何を口走ってるんだろ、私。

うーむ、よくわからないなあ。

『白百合の記憶は曖昧でいて薄い、それが歯車になるだぜ涼子。』
『そうなんだよねえー、だからこそ私は....に。』

ズキっと痛みが今度は頭によぎる。
なに......これ、私? そして貴方は誰?
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