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悪夢?ー朦朧。ー
しおりを挟む柔らかい感覚があった。
何となく、頷いた。
何故だろう、と彼女は思ったが。
夢を見ているような心地よさに、溺れてしまいたくなる。
それは徐々に上に移動して行って。
それから痛みがピリッと、微かにして。
吸うような音がした。
───────冷たい吐息が、僅かに肌を刺激する。
すると、わたしの声がした。
彼女の意識は、朦朧としていた。
けれど、誰かが彼女を死の淵から救ってくれたのだ。
──────────────その代価、わたくしが貰うわ。
そんな声と、祈願の声が交錯した瞬間。
彼女の信奉する誰かが、顕現した。
その側には、美しい人がいた。
耳に緑色の宝石のイヤリングが輝いていて、黒いローブを着用している。
その下にちらりと覗くのは、貴族のような装いで。
その夜は、蒼月だった。
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けれども、
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