夕焼けを君と眺めたい

影狼

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夕餉。ーキャラ紹介と終幕。ー

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男は何かを呟いた。

それは吹いてきた風に、掻き消されたけれど。

依頼の件、達成した。

よく中ったみたいで、アイツも満たされたようだ。

『俺もそろそろお役御免だな。』

「ん?」

「いや、此処の風景に見蕩れてしまってな。」

夕焼けに照らされた街に背を向けていた、男は。

朗らかに笑って強風が吹く。

驚いて、つい目を閉じてしまった。

すると先程まで話していた、男の姿が消えたので困惑した。

『え?おい、大野?』

あーあ、混乱しちゃって可哀想に。

きみもそのうち『厄神』の障害に、なりえるだろう。

なら、芽は若葉のうちに摘まなければ。

……ふぅ、雑草の除去完了。

まだ、焼け野原になっているだろうがね。

そら、何本の柱が見える?

ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ、いつ、むぅ、なな、やぁ、ここの、たり。

ざっと35本は、あるのが分かるだろう?

水色、白色、茶色、銀色、赤色、黒褐色、青色、灰色、ターコイズブルー、黄色、マスカットグリーン、エメラルドグリーン、紫色、群青色、若草色、濃紺色、青白橡色、青丹色、ワインレッド。

色が美しかろう?

清廉潔白ではないが、それでも。

『……』

……そうだな、貴方が求めるように行動し尽くせれば重畳だ。

様々な要因で、今。

世界は危機を迎えている。

長髪が美しい美丈夫なので、アレは大丈夫だろう。

何にしろ、此処はお役御免となったのだから。

さて、時が正しければ花々が咲き乱れる頃だ。

目をかっ開いて、あなたもご覧よ?

それはさておき、記述に相違があってはならない。

彼女の一族が信奉する神々から、授けられたのは。

特定の神か神々から。

御業の如き力を借り受けられる神器。

あるいは、御神刀といったところか。

『夕白華ー麗ー』

それが何故彼女の一族に授けられたか、未だに謎だ。

しかし後々書物に、登場することもあるだろう。

はたまた。

口伝や物語を介して話されることも、往々にしてある。

それではまた書物越しに筆談しよう、その暁には。

そのを良く働かせて、私と話してくれると嬉しいのだけど。

et nos servasti ...sanguine fuso

『白華を奪え。』

ーーー終幕と相成ります。ーーー

ご苦労様でした。

それでは、キャラ紹介に参ります。

椎名灯仮しいなあかり

故人となった病弱な女性。

本来の目的は不明。

『板宿菊理』、大雑把に告げれば狐と仲が良かった。

影月智夜えいげつともや

裏の道に進み、任務を遂行するために偽名で通す『鋭狼』の『仔』。

病弱な女性に会った時、運命の三女神に命じられた経緯あり。

『病弱なモノを看取って欲しいのよ、あの『仔』に頼むわね。』

日向ひゅがソレイユ

椎名に執着している男性。

同様に本来の目的等、不明。

幻想に囚われた女性を利用した。

黧蕾レイライ』から採取できる『輝草きそう
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