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17、正直に言います
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城からの帰り道。
「さっきの事だけどよ…」
ビクッ
「無理に聞いたりしねーから安心しろ。お前が俺達を信用出来た時でいい。そん時は、教えてくれよ?」
「え…?」
聞き間違いだろうか。
「会ってからあんま時間が経ってねえやつに、自分の素性を全て言えとか俺でも無理な話だ。だからよ、お前が言える時に教えてくれよな」
「なんで…」
「なんでって…なぁ?」
「ふふっ、そうですね。僕達は貴女を守ると誓いました。貴女の過去に何かあったのかもしれない、もしそうだった場合無理に聞き出したら、守るどころか逆に傷つけてしまう結果になるかもしれない。だから、あなたの心の整理がついた時でいいので教えてくださいね?」
優しく私に笑いかけてくれる団長さんとレオンさん。
一生黙っていてもきっとこの二人は何も言わないと思う。けど…、
(私の話を信じてくれるかどうかなんてわからない。でも、これだけ私のことを考えてる人に黙ってるなんてずるいと思う。もし、切り捨てられるなら仕方がない、その時はその時だよね)
私は、このまま黙っていたくなかった。
「私の話を聞いてくれる?」
「何も今すぐじゃなくてもいいんだぞ!?」
「そ、そうですよ。団長の言う通りです」
「ううん、私が今、話したいの」
どうしたというのか、話そうとしたら止めてきたぞ。でも、話すけどね。
私はぽつりぽつり話しはじめた。
「私はこの世界とは違う世界の記憶があるの」
「違う世界?それはいったい…」
「質問は最後に答えるから、今は私の話をただ聞いて。私はそこでは会社っていう仕事をする組織で働いていて、マンションって建物で一人暮らしをしていたの。毎日一生懸命働いて、田舎にいる両親に仕送りをしていた。でも、ある日仕事が終わって帰る途中に不審者に襲われて…死んだの」
そこまで話して、ゴクリと誰かが息を呑む音が聞こえたが気にせず続けた。
「それから私はしばらくの間、魂が眠っていたらしくて、しびれを切らした神様に叩き起されてここに来ることと、私が死んだ本当の理由を聞かされた。何だったと思う?私が死んだ理由ね、神様のミスだったんだよ。酷いよねー、まだしたいこと沢山あったのに…」
「それは…」
「でもね、今はいいんだ。こうして皆に会えたから!」
そう言って私は何だか急に恥ずかしくなって後ろを向いた。
「えっ!?」
そして、驚いた。なぜなら…、
「うっ、うぅ…」
「ナナギ…、お前ぞんなに……っ」
「な、なんで皆ここにいるの!?」
振り返ったそこには、騎士団の第1小隊の皆が勢ぞろいしていたからだ。
「なんでって、そりゃ団長たちが遅いから迎えに来たんスよ!」
「そしたら…、ナナの話し声が聞こえてきて…盗み聞きしてた…」
「盗み聞きって…。それで、私の話を聞いてなんて思った?」
「何って、そりゃ…これから幸せにしてやろうって?」
「ああ、そうだな!俺らでナナキを幸せにしてやるんだ!」
「「「「「「おう!」」」」」」
話が勝手に進んでいる。
「ま、待って!なんで信じられるの?自分で言っててなんだけど、嘘だって思わないの?」
「信じるに決まってんだろ!」
「そうそう。てかナナキ、お前泣いてんじゃねーか。それで嘘だったら演技がうますぎるわ!」
「確かにな!ハハハハッ」
皆の話を聞いて気になったので、自分の顔を触ってみると
(濡れてる…?私、泣いてたの?)
自分が泣いてることにその時初めて気づいた。
「てなわけで、ここにはお前を受け入れないやつなんていねーんだからよ…新しい人生楽しもうぜ?」
くしゃくしゃと団長さんが、私の頭を撫で騎士団の皆の方を向いて叫んだ。
「おい、お前らさっさと寮へ帰るぞ!帰ってナナキの飯を食うんだ!」
「何それ…ふふふ、あはは!」
私は面白くて笑ってしまった。
寮までの帰り道、皆であーでもないこーでもないと話しながら帰った。
今日は、とても濃い一日だった。
でも、この世界に来てよかったと改めて思うことが出来たから大切な思い出として心に刻んでおこうと思う。
「さっきの事だけどよ…」
ビクッ
「無理に聞いたりしねーから安心しろ。お前が俺達を信用出来た時でいい。そん時は、教えてくれよ?」
「え…?」
聞き間違いだろうか。
「会ってからあんま時間が経ってねえやつに、自分の素性を全て言えとか俺でも無理な話だ。だからよ、お前が言える時に教えてくれよな」
「なんで…」
「なんでって…なぁ?」
「ふふっ、そうですね。僕達は貴女を守ると誓いました。貴女の過去に何かあったのかもしれない、もしそうだった場合無理に聞き出したら、守るどころか逆に傷つけてしまう結果になるかもしれない。だから、あなたの心の整理がついた時でいいので教えてくださいね?」
優しく私に笑いかけてくれる団長さんとレオンさん。
一生黙っていてもきっとこの二人は何も言わないと思う。けど…、
(私の話を信じてくれるかどうかなんてわからない。でも、これだけ私のことを考えてる人に黙ってるなんてずるいと思う。もし、切り捨てられるなら仕方がない、その時はその時だよね)
私は、このまま黙っていたくなかった。
「私の話を聞いてくれる?」
「何も今すぐじゃなくてもいいんだぞ!?」
「そ、そうですよ。団長の言う通りです」
「ううん、私が今、話したいの」
どうしたというのか、話そうとしたら止めてきたぞ。でも、話すけどね。
私はぽつりぽつり話しはじめた。
「私はこの世界とは違う世界の記憶があるの」
「違う世界?それはいったい…」
「質問は最後に答えるから、今は私の話をただ聞いて。私はそこでは会社っていう仕事をする組織で働いていて、マンションって建物で一人暮らしをしていたの。毎日一生懸命働いて、田舎にいる両親に仕送りをしていた。でも、ある日仕事が終わって帰る途中に不審者に襲われて…死んだの」
そこまで話して、ゴクリと誰かが息を呑む音が聞こえたが気にせず続けた。
「それから私はしばらくの間、魂が眠っていたらしくて、しびれを切らした神様に叩き起されてここに来ることと、私が死んだ本当の理由を聞かされた。何だったと思う?私が死んだ理由ね、神様のミスだったんだよ。酷いよねー、まだしたいこと沢山あったのに…」
「それは…」
「でもね、今はいいんだ。こうして皆に会えたから!」
そう言って私は何だか急に恥ずかしくなって後ろを向いた。
「えっ!?」
そして、驚いた。なぜなら…、
「うっ、うぅ…」
「ナナギ…、お前ぞんなに……っ」
「な、なんで皆ここにいるの!?」
振り返ったそこには、騎士団の第1小隊の皆が勢ぞろいしていたからだ。
「なんでって、そりゃ団長たちが遅いから迎えに来たんスよ!」
「そしたら…、ナナの話し声が聞こえてきて…盗み聞きしてた…」
「盗み聞きって…。それで、私の話を聞いてなんて思った?」
「何って、そりゃ…これから幸せにしてやろうって?」
「ああ、そうだな!俺らでナナキを幸せにしてやるんだ!」
「「「「「「おう!」」」」」」
話が勝手に進んでいる。
「ま、待って!なんで信じられるの?自分で言っててなんだけど、嘘だって思わないの?」
「信じるに決まってんだろ!」
「そうそう。てかナナキ、お前泣いてんじゃねーか。それで嘘だったら演技がうますぎるわ!」
「確かにな!ハハハハッ」
皆の話を聞いて気になったので、自分の顔を触ってみると
(濡れてる…?私、泣いてたの?)
自分が泣いてることにその時初めて気づいた。
「てなわけで、ここにはお前を受け入れないやつなんていねーんだからよ…新しい人生楽しもうぜ?」
くしゃくしゃと団長さんが、私の頭を撫で騎士団の皆の方を向いて叫んだ。
「おい、お前らさっさと寮へ帰るぞ!帰ってナナキの飯を食うんだ!」
「何それ…ふふふ、あはは!」
私は面白くて笑ってしまった。
寮までの帰り道、皆であーでもないこーでもないと話しながら帰った。
今日は、とても濃い一日だった。
でも、この世界に来てよかったと改めて思うことが出来たから大切な思い出として心に刻んでおこうと思う。
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