え?私、最強なんですか?~チートあるけど自由気ままに過ごしたい~

猫野 狗狼

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41、第四小隊での一日 1

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 朝目が覚めると目の前に飛び込んできたのは……書類の山。

「え?」

 まぁ、この状況は理解出来る。第三小隊で似たようなことがあったから。でも、なんと言うか…もう少し夢が欲しかったかなぁ。うーん……だけど、これは仕方ないことなのかもしれないのかな。なんせ第四小隊は騎士団の中でも情報関係を集めたりまとめたりする所なのだから。
 さて、目が覚めたのだからそろそろ起き上がろうか。ゆっくりと書類の山から顔を出すとちょうど仕事が一段落したのか、背を伸ばしているマリエルさんと目が合った。

「やぁ、お目覚めかな?お姫様?」

 うっ、さすが兄弟。似たようなことをおっしゃる。綺麗な顔の最高のスマイルで言われたが、なんと言うか異性へのドキドキを感じなかった。顔が可愛いからだろう。男だったら…うん、やられてるわ。

「えっと、はい……おはようございます」

「動揺してる?」

「えぇ、少しだけ……」

「ごめんね、君にあまり負担をかけないように寝ている間に連れてきたんだ」

 申し訳なさそうに眉を下げ謝るその表情、キュンとします。

 マリエルさんの可愛さに思わず不謹慎なことを考えてしまう。

「そんな、謝らないでください。私のことを考えてですよね?ありがとうございます」

「うん。……今日はとりあえずあまり外に行かないようにしようか」

「?」

 どういうことだろう?

「えっと…まぁ、色々とね…」

 なんとも歯切れの悪い言い方だな…。気になったが、言いにくいということは面倒なこと間違いないので聞かないことにした。

「じゃあ、私は今日どうしたらいいですか?」

 尋ねると少し考えるような仕草をして、

「それなら、簡単な計算をお願いしようかな」

「分かりました」

 もともと数学は好きなので図形の証明以外のことならある程度簡単に計算できる。証明は…大人になっても理解ができなかった。

「はいコレ、教会に世話になった人の人数。一日ごとになってるからそれを一ヶ月ごとに分けてもらえる?だいたい一日一桁か二桁の人数だから簡単だと思う。終わったら声かけてくれればあとは自由にしてていいよ?」

「はい」

 書類を受け取り内容を目で確認してみると確かに1日ごとになっている。

(んー、一日ずつたしていくと面倒だから一気にやろうかな)

 そうして私は縦に長い筆算をしてまとめて答えを出した。一ヶ月分をだいたい3分くらいで終わらせ、三十分…たってからだろうか、ようやく終わった。

「終わりました」

「……」

 マリエルさんに声をかけてみたが返事がない。……ただの屍の…じゃない、集中していただけだった。手持ちぶさたなので、一年分を一ヶ月ごとに出した、患者の人数をそこら辺にあった白紙にグラフとして書くことにした。

……カリカリカリカリ。

「…ふぅ、やっと終わった。……ふぁー…眠ぃ…」

 書き終わったことに対する満足感からか眠気が襲ってきた。ちらりと横目でマリエルさんを盗み見る。まだ仕事は終わってないようだ。

(んー…ちょっとだけ…十分だけ…ねよう…かな…)

目を瞑った私は呆気なく意識を手放した。
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