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50、トラブルの予感 4
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まさか私が嘘をついていることを知っているとも知らずにペラペラと話す変態。
「えっ…、あ、ありがとうございます!」
さぁ、どうやって私を丸め込むつもりなのだろうか。
「いやいや、礼には及ばん。当たり前のことをしたまでだよ」
ほうほう…当たり前のこと…ね。そりゃそうだろうよ、わざわざ攫わせたんだからな。変態のでかたをうかがう。
「それにしてもあの騎士団がいながら攫われるとは…」
「いえ、これは私が悪かったんです。一人で行動したいばかりに…」
これは私の本心だ。暇だからと団長さんの忠告を無視してこんなことになってしまった。今頃どうしてるのだろう…、私が誘拐されたと気づいたかもしれない。
(でもここだって分かるのかなぁ…、最悪一生このまま…?いやいや、大丈夫、私には魔法があるんだから…!)
弱気になった自分の心を強く叱咤した。
「それなら君の気持ちを理解出来なかった騎士団も悪いわけですな」
「…っ、そんな言い方は…!」
(なんてこと言いやがる…!)
私の失敗だと言っているにも関わらず、騎士団のせいにするなんて。だいたい、お前が攫わせなければ良かったんだ。つまり、変態野郎が悪い。
「しかし、事実でしょう。無骨な男ばかりのところでは子どもが楽しめるものもない。気遣いもできない、だから君は一人で街に出たのだろう?」
比較的優しげな笑みを浮かべているが、下心が隠しきれていない。
「…何が、言いたいんですか…?」
「どうだろう、先日も言った通り我が屋敷で世話になっては?」
(なるほど、そこに繋げたか…)
気遣いもできない男共などよりこっちの方が女性が沢山いて甘やかしてくれるぞと、そう言いたいのだろう。ゲスが。
さてさて、どうしたものか…。慎重に言葉を選び話す。
「有難いお話ですが、私は騎士団の方がしょうに合っています。幸い、魔力も体力も平均よりも優れておりますので…」
(…って、あ!しまった!)
思わず口が滑ってしまった。利用価値とか私自身の価値が上がりそうだ。聞こえないように小さく舌打ちをする。
変態の様子はというと、顔には微笑を浮かべているが目がギラギラしている。ザンさんのように獲物を見る目をしているが、それよりもいやらしく、そして鳥肌が立つほど気持ち悪い。
「ほほぅ、でも教養でしたらこちらでもつけられますが?」
「いえ、結構です」
(こりゃー、完全に目をつけられたなぁ)
初めから目をつけられたのは理解していたことだが、さらに厄介なことになったようだ。
「残念ですねぇ。ですが外はもうだいぶ暗いことですしぜひ泊まっていってください。明日の朝、馬車で送りましょう」
にこやかに言うが、その目は未だなにか企んでいるように見えた。…が、ひとまず話は終わったので、晩餐を用意してくれるそうだ。
案内された今日泊まる部屋に入って、すぐに私は再び部屋を出た。
なぜなら…
(なっ、何で女の人たくさんいるのー!?)
私が入ってくるのを待っていた様子の美女達が部屋にいたのだ。おそらく変態の差し金だろう。
「はー…今日は、多分安心できない夜になるんだろうなぁ…」
ため息とともにポツリとつぶやくのだった。
「えっ…、あ、ありがとうございます!」
さぁ、どうやって私を丸め込むつもりなのだろうか。
「いやいや、礼には及ばん。当たり前のことをしたまでだよ」
ほうほう…当たり前のこと…ね。そりゃそうだろうよ、わざわざ攫わせたんだからな。変態のでかたをうかがう。
「それにしてもあの騎士団がいながら攫われるとは…」
「いえ、これは私が悪かったんです。一人で行動したいばかりに…」
これは私の本心だ。暇だからと団長さんの忠告を無視してこんなことになってしまった。今頃どうしてるのだろう…、私が誘拐されたと気づいたかもしれない。
(でもここだって分かるのかなぁ…、最悪一生このまま…?いやいや、大丈夫、私には魔法があるんだから…!)
弱気になった自分の心を強く叱咤した。
「それなら君の気持ちを理解出来なかった騎士団も悪いわけですな」
「…っ、そんな言い方は…!」
(なんてこと言いやがる…!)
私の失敗だと言っているにも関わらず、騎士団のせいにするなんて。だいたい、お前が攫わせなければ良かったんだ。つまり、変態野郎が悪い。
「しかし、事実でしょう。無骨な男ばかりのところでは子どもが楽しめるものもない。気遣いもできない、だから君は一人で街に出たのだろう?」
比較的優しげな笑みを浮かべているが、下心が隠しきれていない。
「…何が、言いたいんですか…?」
「どうだろう、先日も言った通り我が屋敷で世話になっては?」
(なるほど、そこに繋げたか…)
気遣いもできない男共などよりこっちの方が女性が沢山いて甘やかしてくれるぞと、そう言いたいのだろう。ゲスが。
さてさて、どうしたものか…。慎重に言葉を選び話す。
「有難いお話ですが、私は騎士団の方がしょうに合っています。幸い、魔力も体力も平均よりも優れておりますので…」
(…って、あ!しまった!)
思わず口が滑ってしまった。利用価値とか私自身の価値が上がりそうだ。聞こえないように小さく舌打ちをする。
変態の様子はというと、顔には微笑を浮かべているが目がギラギラしている。ザンさんのように獲物を見る目をしているが、それよりもいやらしく、そして鳥肌が立つほど気持ち悪い。
「ほほぅ、でも教養でしたらこちらでもつけられますが?」
「いえ、結構です」
(こりゃー、完全に目をつけられたなぁ)
初めから目をつけられたのは理解していたことだが、さらに厄介なことになったようだ。
「残念ですねぇ。ですが外はもうだいぶ暗いことですしぜひ泊まっていってください。明日の朝、馬車で送りましょう」
にこやかに言うが、その目は未だなにか企んでいるように見えた。…が、ひとまず話は終わったので、晩餐を用意してくれるそうだ。
案内された今日泊まる部屋に入って、すぐに私は再び部屋を出た。
なぜなら…
(なっ、何で女の人たくさんいるのー!?)
私が入ってくるのを待っていた様子の美女達が部屋にいたのだ。おそらく変態の差し金だろう。
「はー…今日は、多分安心できない夜になるんだろうなぁ…」
ため息とともにポツリとつぶやくのだった。
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