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52、トラブルの予感 6
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顔に笑みを浮かべ話し出す変態。
「それにしても、キレイな食べ方をされますな」
「そうですか?普通じゃないですか?」
(やらかしたか?)
緊張してきて、少し嫌な汗をかく。
「いやいや、まるで貴族のように丁寧で洗礼された食事の仕方だ」
「そんなことは…、ただ、見苦しくないようにゆっくり食べただけです」
自分自身そんなに綺麗に食べたとは思っていない。啜る音は汚いし、嫌な気分になる。この変態に攫われたが、一応(本当かどうか分からないが)返してくれるらしいのでそれ相応の礼儀をとったまでのこと。まさかこれがさらに墓穴を掘ることにつながるとは気づかなかった。
「では何故ナイフとフォーク、スプーンをそれぞれ迷わず使い分けることが出来たのかね?ためらった様子は一つもなかったように思うが?」
あぁ、そこは気づかなかった。確かに、ナイフとフォークは普通に扱えるものではない。それに、今の私の年齢を考えると貴族でもない限りそうそううまく扱えないだろう。貴族の幼児でも扱えるかどうか…。
自分の考えのなさにはほとほと呆れる。気をつけようと思えば別のところでボロを出したり、やらかしたり…考えるとやらかすことしかやっていない。私はドジっ子属性でも付与されているのだろうか?などと錯覚してしまうほどだ。
「騎士団の中に貴族様がおりましたので、あまりにも見苦しかったのか私のためなのか分かりませんが根気よく教えてくださいました」
(なんて、嘘だけど)
しかしこんな嘘を言わない限り他に言い訳が思いつかない。
「なるほど。確かに、騎士団長や副団長、騎士団の幹部の面々は全員貴族ですしねぇ」
一応納得したらしい。…それより、団長さん達って貴族だったのか。初めて知った事実だ。今まで普通に団長さんに話しかけてたけど不敬罪はやめてほしい。
帰ったあとの不安が一つできた。
「…ふぁ」
ふと、小さな欠伸が出た。
「おや、もう眠たくなられたか。急いでメイドに部屋へ送らせましょう」
「ありがとうございます」
ご飯を食べたからか、子どもだからか急激に眠気が私を襲った。
それからメイドさんに部屋へ送られた私は、風呂へ入るように言われたが眠たすぎたので断りベッドへと飛び込んだ。……ちなみに、部屋にいたお姉様たちにはお帰りしてもらった。フカフカの布団に寝っ転がると、すぐに私の眠気はMAXになり意識がプツリと切れた。
♦♦♦♦
ナナキが眠った後。
……ガチャッ
静かに扉が開かれた。
黒い人影の手には何か拘束具のようなものが持たれており、ロウソクのうす明るい光に照らされ、それは怪しく光った。
人影はナナキの姿を見つけるとニヤリと笑った。そろりそろりと慎重に物音を立てないように近づき、ついにナナキが眠るベッドにつく。
ナナキの寝顔を食い入るように見つめ、勿体ぶるように…しかし確実にその拘束具をナナキに取りつける。
「…ぅっ」
暗闇に響いた小さなうめき声は、一体誰のものだったのだろうか。
「それにしても、キレイな食べ方をされますな」
「そうですか?普通じゃないですか?」
(やらかしたか?)
緊張してきて、少し嫌な汗をかく。
「いやいや、まるで貴族のように丁寧で洗礼された食事の仕方だ」
「そんなことは…、ただ、見苦しくないようにゆっくり食べただけです」
自分自身そんなに綺麗に食べたとは思っていない。啜る音は汚いし、嫌な気分になる。この変態に攫われたが、一応(本当かどうか分からないが)返してくれるらしいのでそれ相応の礼儀をとったまでのこと。まさかこれがさらに墓穴を掘ることにつながるとは気づかなかった。
「では何故ナイフとフォーク、スプーンをそれぞれ迷わず使い分けることが出来たのかね?ためらった様子は一つもなかったように思うが?」
あぁ、そこは気づかなかった。確かに、ナイフとフォークは普通に扱えるものではない。それに、今の私の年齢を考えると貴族でもない限りそうそううまく扱えないだろう。貴族の幼児でも扱えるかどうか…。
自分の考えのなさにはほとほと呆れる。気をつけようと思えば別のところでボロを出したり、やらかしたり…考えるとやらかすことしかやっていない。私はドジっ子属性でも付与されているのだろうか?などと錯覚してしまうほどだ。
「騎士団の中に貴族様がおりましたので、あまりにも見苦しかったのか私のためなのか分かりませんが根気よく教えてくださいました」
(なんて、嘘だけど)
しかしこんな嘘を言わない限り他に言い訳が思いつかない。
「なるほど。確かに、騎士団長や副団長、騎士団の幹部の面々は全員貴族ですしねぇ」
一応納得したらしい。…それより、団長さん達って貴族だったのか。初めて知った事実だ。今まで普通に団長さんに話しかけてたけど不敬罪はやめてほしい。
帰ったあとの不安が一つできた。
「…ふぁ」
ふと、小さな欠伸が出た。
「おや、もう眠たくなられたか。急いでメイドに部屋へ送らせましょう」
「ありがとうございます」
ご飯を食べたからか、子どもだからか急激に眠気が私を襲った。
それからメイドさんに部屋へ送られた私は、風呂へ入るように言われたが眠たすぎたので断りベッドへと飛び込んだ。……ちなみに、部屋にいたお姉様たちにはお帰りしてもらった。フカフカの布団に寝っ転がると、すぐに私の眠気はMAXになり意識がプツリと切れた。
♦♦♦♦
ナナキが眠った後。
……ガチャッ
静かに扉が開かれた。
黒い人影の手には何か拘束具のようなものが持たれており、ロウソクのうす明るい光に照らされ、それは怪しく光った。
人影はナナキの姿を見つけるとニヤリと笑った。そろりそろりと慎重に物音を立てないように近づき、ついにナナキが眠るベッドにつく。
ナナキの寝顔を食い入るように見つめ、勿体ぶるように…しかし確実にその拘束具をナナキに取りつける。
「…ぅっ」
暗闇に響いた小さなうめき声は、一体誰のものだったのだろうか。
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