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第三章【破滅へと至る者】

3―7※ アリアとリダ

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ノルマルとアリアはマータとマジャを監視できる場所を探した。

「あの辺かしらね‥‥二人を監視できる場所」

ノルマルは空いているテーブル席を指差し、

「そうですね。ちょうど飲み物が配られてますし、座って飲んでいたら怪しまれないでしょう。食事も提供されるみたいですしーーっと‥‥いけませんねぇ」

アリアは先へ進むノルマルの腕を慌てて掴み、目配せをした。アリアの視線の先を追うと、そこには人間の女性を口説いているのか、リダの姿があったのだ。

「全く‥‥こんな場所でまで女性を食うつもりなんですかね‥‥奴の監視役はレンジロウさん達です。私達はもう少し奥まで行きましょうか」

ため息を吐きながらアリアが言い、しかし、

「やっ、ヤバイわよ。なんか、リダ、こっちに来る。あんたに気付いたんじゃ‥‥」

ノルマルにそう言われ、

「知らない振りです、行きましょう」

平静を装い、アリアはリダから距離を取る。だが、「キャッ!」と、聞こえたのは後ろを歩くノルマルの声。慌てて振り向けば、リダはノルマルの腕を掴んでいた。

「なっ‥‥何かしら?」

ノルマルは肩を震わせながらリダに聞き、

「いや、かわいい女だと思ってな。せっかくこんだけ選び放題だし、相手をさがしてんだよ」
「‥‥おっ、おほほ。なんのことだかサッパリ‥‥」

腕を掴まれたままのノルマルは下手に身動きが取れない。横目にアリアを見つめ、助けを求めている。アリアは目を閉じ、ノルマルの腕を掴むリダの腕をガッーーと握り、

「シックスギアのリダ様ですよね。この子、私の連れなんです。まだ若いですし、見逃してもらえませんか?」

ニッコリと笑ってそう言えば、

「あァ?なんだテメェ。ブスは引っ込んでな」

なんて言われてしまう。

(コイツは本当に私のことがわからないのか。悪質なストーカー行為をしておきながら‥‥)

ムカッとして、思わず力を入れてリダの腕をノルマルから引き離してしまった。

「あ?」

何が起きたのか。目の前の怪力にリダは目を丸くする。アリアはノルマルに顔を近づけ、

「行って下さいノルマルさん。リダは私が見ておきます。レンジロウさん達にも伝えて下さい。ここまできたらもう運命です」

そう耳打ちをする。ノルマルは不安そうにアリアを見たが、無言で頷き、逃げるように去って行った。

「おいおいこの怪力ブス。何してくれてんだぁ?」
「ふっ‥‥ふふふ、ハハハ‥‥怪力ブス‥‥」

リダの言葉にアリアは笑い、

「私に薄っぺらい愛を囁き、あーんなことまでさせたくせに、数週間会わないだけでもうお忘れになったんですかぁ?いろんなご婦人に目移りして」
「はぁ?」

ここまで言っても気づかない男に更に怒りが募り、アリアはニッコリと笑う。それに、ここで足止めしなければノルマルが狙われてしまう、それだけはダメだ。
数週間行動を共にしただけだが、見た目に反してノルマルはどこか幼い。そんな子をリダに触れさせるわけにはいかなかった。それにもう、知り合いを傷つけられるのは勘弁してほしい。

「全く。あなたが私を何で認識しているのか謎です。顔じゃないんですね?いつもの黒服?折れた剣?」
「‥‥折れた剣?‥‥お前、アリアか?」

ようやくその名を呼んだリダに大きく頷き、

「気づくの遅すぎて笑えます。今日は得物を背負ってないのでね。そのせいですかねぇ?」
「ぶっ‥‥ははははは!おまっ‥‥なんて格好してんだよ!なんで女装‥‥似合わねぇ!」
「‥‥マジか」

女装だと一蹴され、アリアは目を細めた。

「しっかしよく出来てんな!」
「ぎゃあっ!?」

前触れもなく胸を揉まれ、

「小さいが、感触も本物みたいじゃねーか、マジで笑えるわ」

なんて、リダは腹を抱えて笑い出す。あまりの無礼な行動にアリアは顔を真っ赤にして肩を震わせたが、すぐに咳払いをして冷静さを保った。

「ははは‥‥まあ、面白いモンが見れて良かったわ。だが、悪いが今はお前の相手してる場合じゃねー。武器もないんじゃお前に意味はねーしな。戴冠式なんて面倒ごとが始まる前にさっきの人間の女でも引っ掛け‥‥」
「この変態が!」
「はぁ!?」

ガッーー!と、リダの足を思い切り蹴りつけてやる。

「目の前にこーんなにかわいい人間がいるのに何を言ってるんですか」
「お前、そんな格好して頭がイカれたのか?」
「こんな格好の私、レアですよ、今しかありませんよ」
「‥‥」

あまりに引き下がらないアリアを半眼で見つめ、

「お前‥‥何を企んでる?」

逆に不信感を抱かせてしまい、しかしアリアは笑顔を崩さない。ここで引き下がれば、ノルマルを危険な目に遭わせてしまう。止められるのは今、ここでしかない。

「‥‥ふっ、まあいい」

リダは苦笑し、アリアの肩に手を回しながら、

「何かあるんだろぉ?話ぐらいは聞いてやるぜ?」

なんて、意外な言葉にアリアは目を丸くした。彼はアリアを連れ、廊下へと続く扉を開ける。次に、しばらく進んだ先にある扉を開け、中に入って鍵を閉めた。
豪華なソファーにテーブル。恐らく客間であろう。リダはソファーに座り、ドカッとテーブルに片足を乗せた。

「で?ここに何をしに来たんだ?女装して」

そう問われたアリアはリダを見据え、

「これだけ人が集まれば、何か儲け話があると思いましてね。しかも、タダ飯付きですし」

なんて言ったアリアを、リダは呆れるように見つめ、

「ほう?さっきの知り合いを連れて、か?」
「ええはい。彼女もギルドの依頼を受ける仲間なので」
「‥‥」

真意かどうか、リダは疑いの眼差を向けていたが、

「ククッ‥‥お前は本当に大した奴だ。お前の彼女を殺った俺を前に、飄々としていやがる」
「これでもあなたが言った通り、時間を置いた方が憎悪が増すーー正に今、その状態ですよ」
「そうかよ」

苦笑しながらリダはソファーから立ち上がる。扉の前に立ったままのアリアの前まで行き、壁に追い詰めた。リダはじっと、アリアの目を見ている。彼のその目を、やはり知っていると感じた。最近ではない、もっと前から。アリアは口を開き、

「実は私、四年前もあなたに会ったことがあるんですよ。その時もあなた、私を見てブス呼ばわりしたんですよ?」

過去に、両親を殺された話はしない。今はまだ、言うべき瞬間ではないと感じたからだ。

「あ?お前に?男にブスなんて言った記憶は‥‥」
「‥‥まあ、はい。あなたのブスの基準が知りたいですね?」

アリアが聞けば、

「黒髪の女は嫌いなんだよ」

たったそれだけの理由に「あっ、顔じゃないんですか」と、アリアは目を丸くする。

「ーーで?無駄話はさておき、アリア。お前の本当の目的はなんだ?」

やはり嘘だとバレていたことにアリアはため息を吐いた。

「お前は俺の貴重な時間を奪ってんだ。話さねーと、男だろうが酷い目に遭わすぜ?」

黙りこむアリアの腰に手を回し、ゆっくりと唇を重ねてくる。重ねるだけでは飽きたらず、くちゅくちゅと音を鳴らし、口内を舌で掻き回された。しかし、リダはすぐに唇を離し、

「なんだぁ?マジで抵抗しないのか?」
「‥‥っ‥‥私を男だブスだ言うくせに、あなたはなぜ私にこんなことをするんです?」

問われて、リダはアリアを見つめる。しかし、彼は肩を竦め、

「さあな、俺が知りてーよ」

そう言って、再び唇を重ねてきた。
この程度の我慢で済むのならーーアリアは自分が男だと思われていることに今だけは感謝する。気持ち悪くて吐きそうだが、それでもリダを隔離できたのは大きい。ノルマル達は三人の監視をするだけで済む。これで、時間を稼げるのならーー‥‥しかし、

「ーーひっ!」

思わず悲鳴を上げた。リダの手がアリアの下半身に触れたからだ。

「‥‥あ?」

リダは不思議そうな顔をする。
マズイ、終わったーーアリアはそう思った。

「おい、お前‥‥」

リダはアリアの胸ぐらを掴み、ドレスを引き下げる。女物の下着と胸が露になり、慌てて腕で覆い隠した。
ーーしばらく、沈黙が走る。リダは額に手を当て、

「マジで、女?」

なんて、奇怪なものを見るような眼差しを向けて来た。

「私は自分は男だーーなんて言っていませんよ。あなたが勘違いしただけです」

そう言ってやれば、リダは額に手を当てたまま状況を整理している。

「女‥‥?お前、女の癖に俺と対等に戦えたのか?」
「性別なんて関係ないでしょう。小さい頃から何故か力だけはあるんです」
「‥‥」

リダは一旦アリアから離れ、再びソファーに腰を掛けた。珍しく動揺を見せる彼を嘲笑い、

「はは。あなたが黒髪の女性が嫌いで良かった」

満面の笑顔で言った。これはアリアにとって素直に嬉しいことである。

「いや‥‥そうなんだが‥‥」

しかし、彼は両手で頭を抱え、

「やっぱお前はすげーよ。男だから当たり前と思っていたが、女がここまでの度胸持ってるか?前の時も自分が囮になってたじゃねーか。規格外だぜ、お前」
「それはどうも、ありがとうございます」

乱れたドレスを整え直し、棒読みに礼を言った。

「だが、そうか。女ならお前を犯ってもいいわけだな」
「‥‥」

アリアは腕を組み、

「黒髪の女、更にはブスは対象外でしょう?」
「ハハ。悪かったって。お前だとわかってたら、んなこた言わねーよ」
「散々言っておきながら‥‥」

深いため息を吐いてやる。それから再び彼を見つめ、

「リダ。あなたはこの前、次は私を殺すと言いましたね?しかし今は戦いの場ではない。混血のリダは強い男との戦いを望むと有名だ。あなたは私が女でも、戦いたいですか?」

その問いにリダは考えることなく、

「人間の女は弱いと決めつけていた。だが、言ったようにお前は規格外だ。お前と戦い、お前を殺したい欲は消えんーーまだ、お前の殺気を見たことがないからな」
「‥‥ふっ。安心しました。それならば、私も友人の仇を討てる機会があります」
「だが、一度は犯しておきたい。俺はお前を気に入ってんだ。男だろーが女だろーがな」
「‥‥よくも堂々とそんなことを言えますね、気持ち悪い。まあ、戦いの場で私が敗北したら好きにしてやって下さい。次は私も迷わずあなたに剣を向けますーー私は負けない」
「ククッ‥‥いい心構えだ」

そう言いながら、彼はアリアを手招きした。警戒しながらもアリアは彼に近付く。ここで彼の機嫌を損ねれば、せっかくの時間稼ぎが無駄になる。リダの前まで行くと、右腕を引かれ、ソファーに押し倒された。

「ちょっ‥‥話、聞いてましたよね?好きにしていいってのは私が負けた時‥‥」
「俺の邪魔をしたんだ。ちょっとくらい相手しろよ。ちょうど、お前は何か時間稼ぎしてるみたいだしなぁ?お互い、暇潰しにいーじゃねーか」
「ぐっ‥‥!」

そこまで気づかれていたことにアリアは舌打ちをする。戦いと快楽以外、何も考えていないように見えて、意外に鋭いと感じたーーいや、鋭すぎる。
まあ、ちょうどいいかとアリアは思い、

「あなたはソートゥ様に仕えているんですか?」
「ああん?はは、あんな小娘にか?笑わせるなよ」
「じゃあ、あなたの立場はなんなんです?マジャ達とつるんで‥‥」
「理由なんてねーよ。俺は今まで通り生きてるだけだ。奴等は仲間でもなんでもないしなぁ」
「なるほど‥‥じゃあ、今だけは協力してくれませんか?」
「ん?」

アリアはリダの胸を押し退け、

「私は理由あってソートゥ様を助けに来たんです。あと、あなた達が連れ去った人達を」
「‥‥」

それを聞いたリダはじっとアリアを見つめ、

「なんとなくわかった。お前、逃亡中のウィシェと繋がってんのか?」
「‥‥」

しかし、アリアはそれには答えない。

「まあ、いい。だが、なんだ、そうか‥‥ククッ、ハハハ!」
「なんです?」
「やめとけやめとけ。これはマジだぜ」
「だから、何が‥‥っ!?」

アリアはギョッとする。彼女を押し倒したままのリダは衣類越しに下半身を押し当ててきた。ゆっくりと腰を動かされ、その行為がなんなのかを理解したアリアはリダの胸を押し返そうとする。

「やっ、やめて下さいよ!さすがにこれは気持ち悪い!」

硬くなったソレに下半身を何度も刺激され、次第にぐちゅぐちゅと濡れた音が部屋に響いた。同時に服越しに胸をまさぐられ、口内までも犯される。

「ひっ‥‥んうっ‥‥」

出したくもないのに、声が漏れる。涙が滲み、シェリーを、両親を殺めた男を睨んだ。

「うっ‥‥ひっ‥‥」

悔しさが勝り、快楽よりも先に泣き出すアリアを見て、

「お前、やったことねーのか?」

なんて聞かれ、悔しげに涙を拭いながら当たり前だとアリアは頷く。

「‥‥はは。そのくせに俺を挑発して誘うとか、お前には参るぜ」

リダは行為を止め、以前のように愛しそうにアリアの頬を撫で、

「お前は強い。お前が強く在る限り、俺はお前を愛しているぜ」
「ははっ‥‥この前から、随分と軽い愛を囁きますね」
「あ?」

屈辱の中でもアリアは笑い、

「いったい、何人の女性に愛を囁き、貪って来たんですかねぇ?本当に愛してるなら、私が生きている間、他の女性に金輪際手出ししないと約束出来ますか?人間の、私の一生はあなたより短い。もしあなたに敗北して殺されたら更に短い。そのぐらいの我慢、出来ますよねえ?いやぁ、この命、あと一年あるかどうか‥‥」
「‥‥ククッ」

リダは可笑しそうに笑い返し、

「随分と自信たっぷりじゃねーか?」
「ええ。だって、私は強いんでしょう?そこに性別はないはずです。あなたの私に対する愛は性別じゃないーー力にあるんですよね?なら、あなたが抱くその愛は、あなたにとって珍しいものでしょう?」
「‥‥」
「私はあなたに勝つつもりで挑みます。この身にあなたへの憎悪を膨らませてね」

その時に言ってやるつもりだ。
お前はシェリーだけでなく、両親も私から奪ったんだと。それを言って、必ず決着をつけてやる。これからはもう、逃げずに、戦ってみせるーーアリアはそう考え、だが今は、エクス達の身を案じた。

(やれやれ。私がこれだけ身を張ったんです。皆さん、うまいことやって下さいよね)

ーーと。

すると、リダはアリアの体を抱き寄せ、

「感謝しな。普通の女だったらとっくに犯してんだからよ」
「普通の女じゃなくて良かったです。今はまだ、あなたは私を最後まで犯せない。あなたにとって私は、武器を構え合う対象ですからね」

そう言って、ドレスの背中越しに隠していた折り畳み式ナイフを取り出し、リダの首筋に宛がう。

ーーリダの愛情は、普通の愛情ではない。
強い間はその対象を愛しているーーただそれだけ。そこに、恋という概念は存在しない。
男女の行為に及ぼうとするのも、自分の快楽を満たしたいだけ。そこに愛はない。
ーー逆にそれを、可哀想だなとすら感じてしまった。‥‥極悪人にそんなことを思ってやる義理はないが。
首筋を這う切っ先に触れ、

「はは‥‥マジで面白いわ」

と、リダは笑う。

「とりあえずそろそろ退いてくれます?」

時分を押し倒したままの彼に言えば、ようやく彼は身を起こした。アリアも息を吐きながら身を起こし、

「‥‥ところで、男物でもいいんで、替えの下着はあります?あなたのせいで下半身がベタベタして最悪です。あと、バレたなら、もうドレスも脱ぎたいんで、代わりの服も欲しいです」
「‥‥俺に指図してんのか?」
「ここにはあなたしかいないでしょう?」
「まあ、いろいろと愉しませてもらった礼に後で持ってきてやるよ。あと小一時間したらソートゥの戴冠式が始まる。そん時には、ゴロゴロ人が死ぬだろうなぁ」

それを聞き、

「どういうことです?戴冠式ですよね。戴冠式でなぜ人が死ぬんですか?」
「‥‥」

リダは薄い笑みを浮かべ、

「俺は別に奴らの協力者じゃねえ。俺を飽きさせない面白い世界を見せてやると言い、頭を下げて来たから手伝ってやったまでだ。だが、八ヶ月くらいか?別に面白くねぇなぁって思ってたところだ。だからよ、お前が現れて最近は何百年か振りに楽しいんだぜ」

なんて、彼は初めて、普通の人のような笑顔を見せた。それでも、この男は両親とシェリーを奪った。目の前の手は、何万もの血で濡れている。アリアは困ったように笑い、

「ーー約束します。私はあなたが楽しめるよう、精一杯戦ってあげます。だから、今は協力してくれませんか?話せることは話します。あなたの知ることも聞かせて下さい」

ハッキリ言って、口ではなんとでも言えるが、アリアはリダに勝てるとは思っていない。リダはアリアを強いと称すが、自分は強くないし、人を斬ったこともないのだ。本当の戦い方なんて知らない。
だが、いずれは戦わなくてはならない。勝とうが負けようが、それが、奪われた三人への手向けだ。出来れば、子供達を殺めたマジャにも制裁を下してやりたい。

だから、自分の弱さを見せてはいけない。強さを望まれたなら、それに応え、憎い相手をも利用してやる。

「強気だなー。さっき犯されかけて泣いてたくせによ」

言われて、アリアは顔を赤くした。あんなことをされれば誰だって泣くはずだ。いや、泣かないのか?普通の女性は泣かないのか?初めての事にアリアは頭を抱える。リダのことをとやかく言ったが、自分も生きてきたこの十八年、恋や愛とは無縁だった。
顔を真っ赤にしているアリアをリダは不思議そうに見る。

だが、リダには本当にソートゥやシックスギアへの仲間意識がないことがわかった。あっさりと、アリアに真相を話したのだ。
話を聞いたアリアはその内容に動揺するしかなかった。
しかし、情報を貰ったアリアは、

「ーーありがとう」

と、決意を固めるような目をして素直に礼を言う。それを見て、リダは一瞬だけ目を細める。
ーーありがとう。
その言葉とこの眼差しは、どこか懐かしい。
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