1 / 50
第一話 美貌将の憂鬱
馬上の男、田管は、小高い崖の上からじっと遠くを見据えていた。その向こう側には、迫りくる大軍の姿がある。ほぼ少年と言ってもいい年頃にも見えるこの若い男の白い肌は陽光の下に輝き、長い銀の髪は兜の下から垂れて、時折吹き寄せる風に靡いている。顔貌は女人のように艶やかで美しく見えるが、その目つきの峻烈さはまさしく武将のものであった。
「出来ればこのような戦などしたくはなかった、が……」
幕僚の耳に拾われない程の小声で、田管はそっと呟いた。
今、目の前に迫っている大軍は、この普国に弓引く反乱軍たちである。これに対して、郡の長官である郡守は恐怖に駆られたか足早に逃亡し、田管は残された軍を率いて反乱軍と相対しているのである。今相対している軍は他国の軍ではなく、武器を取った自国民であり、そのことが田管を暗澹たる気分にさせていた。
郡守が恐れをなしたのも無理はない。向かってくる反乱軍の数は今や五十万にも届こう程になっており、それに対して今田管の統率下にある軍はたったの四万という数なのだから。五十万という数からすれば、四万の軍など吹けば飛ぶようなものである。しかも、普の帝室に対する憎悪に燃えている反乱軍に対して、田管がまとめた軍はその勢いに気圧されて腰が引けている。唯一、田管の軍が勝っている点と言えば、あちらが農民兵主体の素人の軍であるのに対して、こちらの主体は戦闘訓練の施された強兵であるということだ。
田一族は元々、普に滅ぼされた梁国に仕えており、代々武門の誉れ高く、名だたる武将を排出した名門であった。しかし、田管はその田一族の嫡流ではない。一族のとある武官が西方の血が混じった銀髪碧眼の少年を引き取り、後にその武官の姉が少年と子を成した。少年が十六という若さで夭折するまでに男子二人をもうけたという。少年の姓が不明であったため、その子は両方とも母方の田姓を名乗った。その息子の内の長男の側が、田管の先祖にあたる人物なのだという。
混血が進むにつれて、その先祖たる銀髪碧眼の血もまた薄まり、他の中原人と変わらぬ容姿になっていったが、奇しくも田管の母親が、同じ銀髪碧眼の特徴を持つ異民族の出身であった。そして、田管もまた、その形質を受け継いだのである。田管の白い肌、長い銀髪、澄んだ碧い瞳は、この母に由来するものなのである。
傍流であるが故に、田管の父はただの刀筆吏、つまり木っ端の小役人に過ぎない人物であった。母は昨年に流行り病でこの世を去り、そして父もそれを追うようについ先月病没し、帰らぬ人となった。けれども田管は騎射の腕で頭角を現し、喪に服する暇もなく、若いながら二千騎の騎馬部隊を任される将となった。そして、その任命の直後に、この反乱騒ぎが起こり、郡守は怖気づいて逃亡してしまったのである。全軍の信頼を繋ぐに足る将は、この郡においてはただ田管をおいて他にはなかった。故に残された軍を取りまとめて、賊軍の鎮圧に当たることとなったのである。
田管は、全軍に待機を命じていた。弓兵と弩兵は射撃の体勢に入りながら、一矢たりとも放ってはいないし、前線の戟兵や騎兵も、石像のようにじっとしている。
蟻の群れのように見えた反乱軍の兵たちは、接近するにつれてよりはっきりとした人の型を取り始めた。もう、彼らは矢の届きそうな位置まで、田管軍に接近してきていた。
その、兵士たちの脚が、泥濘に嵌まった。反乱軍たちが当惑の表情を顔に浮かべた、まさにその時であった。
「今だ! 攻撃開始!」
田管の号令と共に、太鼓が打ち鳴らされる。それが、攻撃の合図となった。弓弩の斉射が始まり、足の鈍った反乱軍の頭上に、放たれた矢弾の驟雨が降り注いだ。
一見、葦や荻が生い茂るただの平野に見えるこの土地は、水はけが悪く、雨が降ると近くの山から水がしみ込んで幅広く泥濘を作ってしまう。田管はこの土地の性質を、よく理解していた。
田管軍は、ひたすらに矢を浴びせ続けた。飛蝗の大群のように空を覆ったそれは、情け容赦なく反乱軍の兵たちに襲い掛かった。それでも、数の差故に、その効力は最前線の兵を削るに留まっている。
だが、これでよい。田管はそう考えていた。敵は戦の素人の集まりではあるが、何分勢いがある。戦においてはその勢いこそが恐ろしい。であるから、敵の攻撃を受ける前に敵の出鼻を挫き、極力それを削いでおくことが何よりも先決であった。敵が沼地を避けて迂回してくることも考えたが、彼らは何分大軍である、兵糧の消費は激しいであろうし、迂回するにしても大軍を難なく通せるような土地は近くにない。故に彼らは速攻を仕掛けるためにここを無理矢理にでも抜けようとする。そう田管は読んでいたのである。
「いい頃合いだ。総員退却!」
銅鑼が打ち鳴らされ、田管軍の兵士が後方へ退いていく。号令を下した田管自身も、馬首を翻して後退し始めていた。反乱軍はその背を追いかけようとしたが、泥濘がそれを阻んだ。もたついている間に、田管軍の姿は、反乱軍の視界の向こう側に消えてしまったのであった。
敵の戦力を削りながら逃げ、そして次にはまた守りに向く土地で待ち構え、敵を削る。そうして遅滞戦術を行いながら、中央からの援軍を待つ。田管の頭の中にあるのは、そのような戦いであった。
だが、と、田管は思考を旋回させる。そも、援軍など来るのだろうか、と訝らざるを得ないのが現状である。籠城戦も考えたが、その選択肢はすぐに頭から消した。中央からの軍隊がやってくる気配が、一向にないからだ。都に使者を飛ばしてはいるのだが、未だ何の音沙汰もないのが実に苛立たしい。これだけの大反乱だ。首都の方とて、この事態を把握していないとはとても思えない。けれども、送り出した使者が帰ってくることはなかった。故に、大軍を相手に野戦を仕掛けるよりは他にない。地の利を活かして軍を分散し埋伏させ、遊撃戦を行うという手も考えたが、これも頭の中から消し去った。ただでさえ数で大きく劣る自軍をさらに小分けにしてしまえば、各個撃破の危険がある。それに、自軍の腰が引けている以上、自分の近くから軍を引き離したくもない。将帥たる自分が軍を引き締めていなければ、統率が失われて脱走されかねないからだ。
兎にも角にも、五十万に対して四万では、取りうる選択肢が少なすぎる。しかし、ぼやいたとて敵が減るわけでもないし、自軍が増強されるわけでもない。今自分が動かせるものだけで、何とかやりくりしていくしかないのである。
「出来ればこのような戦などしたくはなかった、が……」
幕僚の耳に拾われない程の小声で、田管はそっと呟いた。
今、目の前に迫っている大軍は、この普国に弓引く反乱軍たちである。これに対して、郡の長官である郡守は恐怖に駆られたか足早に逃亡し、田管は残された軍を率いて反乱軍と相対しているのである。今相対している軍は他国の軍ではなく、武器を取った自国民であり、そのことが田管を暗澹たる気分にさせていた。
郡守が恐れをなしたのも無理はない。向かってくる反乱軍の数は今や五十万にも届こう程になっており、それに対して今田管の統率下にある軍はたったの四万という数なのだから。五十万という数からすれば、四万の軍など吹けば飛ぶようなものである。しかも、普の帝室に対する憎悪に燃えている反乱軍に対して、田管がまとめた軍はその勢いに気圧されて腰が引けている。唯一、田管の軍が勝っている点と言えば、あちらが農民兵主体の素人の軍であるのに対して、こちらの主体は戦闘訓練の施された強兵であるということだ。
田一族は元々、普に滅ぼされた梁国に仕えており、代々武門の誉れ高く、名だたる武将を排出した名門であった。しかし、田管はその田一族の嫡流ではない。一族のとある武官が西方の血が混じった銀髪碧眼の少年を引き取り、後にその武官の姉が少年と子を成した。少年が十六という若さで夭折するまでに男子二人をもうけたという。少年の姓が不明であったため、その子は両方とも母方の田姓を名乗った。その息子の内の長男の側が、田管の先祖にあたる人物なのだという。
混血が進むにつれて、その先祖たる銀髪碧眼の血もまた薄まり、他の中原人と変わらぬ容姿になっていったが、奇しくも田管の母親が、同じ銀髪碧眼の特徴を持つ異民族の出身であった。そして、田管もまた、その形質を受け継いだのである。田管の白い肌、長い銀髪、澄んだ碧い瞳は、この母に由来するものなのである。
傍流であるが故に、田管の父はただの刀筆吏、つまり木っ端の小役人に過ぎない人物であった。母は昨年に流行り病でこの世を去り、そして父もそれを追うようについ先月病没し、帰らぬ人となった。けれども田管は騎射の腕で頭角を現し、喪に服する暇もなく、若いながら二千騎の騎馬部隊を任される将となった。そして、その任命の直後に、この反乱騒ぎが起こり、郡守は怖気づいて逃亡してしまったのである。全軍の信頼を繋ぐに足る将は、この郡においてはただ田管をおいて他にはなかった。故に残された軍を取りまとめて、賊軍の鎮圧に当たることとなったのである。
田管は、全軍に待機を命じていた。弓兵と弩兵は射撃の体勢に入りながら、一矢たりとも放ってはいないし、前線の戟兵や騎兵も、石像のようにじっとしている。
蟻の群れのように見えた反乱軍の兵たちは、接近するにつれてよりはっきりとした人の型を取り始めた。もう、彼らは矢の届きそうな位置まで、田管軍に接近してきていた。
その、兵士たちの脚が、泥濘に嵌まった。反乱軍たちが当惑の表情を顔に浮かべた、まさにその時であった。
「今だ! 攻撃開始!」
田管の号令と共に、太鼓が打ち鳴らされる。それが、攻撃の合図となった。弓弩の斉射が始まり、足の鈍った反乱軍の頭上に、放たれた矢弾の驟雨が降り注いだ。
一見、葦や荻が生い茂るただの平野に見えるこの土地は、水はけが悪く、雨が降ると近くの山から水がしみ込んで幅広く泥濘を作ってしまう。田管はこの土地の性質を、よく理解していた。
田管軍は、ひたすらに矢を浴びせ続けた。飛蝗の大群のように空を覆ったそれは、情け容赦なく反乱軍の兵たちに襲い掛かった。それでも、数の差故に、その効力は最前線の兵を削るに留まっている。
だが、これでよい。田管はそう考えていた。敵は戦の素人の集まりではあるが、何分勢いがある。戦においてはその勢いこそが恐ろしい。であるから、敵の攻撃を受ける前に敵の出鼻を挫き、極力それを削いでおくことが何よりも先決であった。敵が沼地を避けて迂回してくることも考えたが、彼らは何分大軍である、兵糧の消費は激しいであろうし、迂回するにしても大軍を難なく通せるような土地は近くにない。故に彼らは速攻を仕掛けるためにここを無理矢理にでも抜けようとする。そう田管は読んでいたのである。
「いい頃合いだ。総員退却!」
銅鑼が打ち鳴らされ、田管軍の兵士が後方へ退いていく。号令を下した田管自身も、馬首を翻して後退し始めていた。反乱軍はその背を追いかけようとしたが、泥濘がそれを阻んだ。もたついている間に、田管軍の姿は、反乱軍の視界の向こう側に消えてしまったのであった。
敵の戦力を削りながら逃げ、そして次にはまた守りに向く土地で待ち構え、敵を削る。そうして遅滞戦術を行いながら、中央からの援軍を待つ。田管の頭の中にあるのは、そのような戦いであった。
だが、と、田管は思考を旋回させる。そも、援軍など来るのだろうか、と訝らざるを得ないのが現状である。籠城戦も考えたが、その選択肢はすぐに頭から消した。中央からの軍隊がやってくる気配が、一向にないからだ。都に使者を飛ばしてはいるのだが、未だ何の音沙汰もないのが実に苛立たしい。これだけの大反乱だ。首都の方とて、この事態を把握していないとはとても思えない。けれども、送り出した使者が帰ってくることはなかった。故に、大軍を相手に野戦を仕掛けるよりは他にない。地の利を活かして軍を分散し埋伏させ、遊撃戦を行うという手も考えたが、これも頭の中から消し去った。ただでさえ数で大きく劣る自軍をさらに小分けにしてしまえば、各個撃破の危険がある。それに、自軍の腰が引けている以上、自分の近くから軍を引き離したくもない。将帥たる自分が軍を引き締めていなければ、統率が失われて脱走されかねないからだ。
兎にも角にも、五十万に対して四万では、取りうる選択肢が少なすぎる。しかし、ぼやいたとて敵が減るわけでもないし、自軍が増強されるわけでもない。今自分が動かせるものだけで、何とかやりくりしていくしかないのである。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。